海上に浮かぶ歴史遺産 3月からの本格解禁を前に上陸体験 第二海堡

 横須賀市と横須賀商工会議所、京急電鉄でつくる横須賀集客促進実行委員会は19日、3月から上陸が本格解禁される東京湾の「第二海堡(かいほう)」(千葉県富津市)の体験会を開いた。横須賀市内の飲食、宿泊業者ら39人が参加、海上に浮かぶ歴史遺産を見学した。

 第二海堡は首都防衛の砲台を設置するため、明治期に造られた人工島の一つ。観光スポットの誕生をビジネスチャンスにするため、事業者に土産品や食事のメニューといった商品を開発してもらおうと企画した。

 参加者は三笠桟橋(同市小川町)から約30分乗船して上陸。浦賀航路を行き交う船舶を眺めたり、砲台跡やれんが造りの壁などを見て回ったりした。

 フードビジネスを手掛けるヤチヨ(同市日の出町)の鈴木孝博社長は「周辺の猿島などと絡めれば、とても魅力的なスポット。メニュー開発の意欲も刺激された」と話し、レストランなどを展開するたのし屋本舗(同市追浜町)の下澤敏也社長は「豊かな漁場に囲まれ、第二海堡の形もかわいい。お子様ランチのようなものもいいかも」と早速、考えを巡らせていた。

 国土交通省や市などでつくる「第二海堡上陸ツーリズム推進協議会」は第二海堡を観光資源として活用することを決定。昨年9月から11月まで、旅行会社など5社が計31本の試行ツアーを実施していた。

第二海堡を見て回る体験会の参加者ら=19日

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