【平成の長崎】鯨食文化を次世代に 栄養満点 鯨を調理  平成28(2016)年

 長崎に伝わる鯨食文化を次世代に伝えるための「くじら料理教室」が20日、長崎市野母町の小中一貫校「青潮学園」(山田圭二校長、234人)であり、6年生の児童33人が、鯨の調理方法を学んだ。
 「長崎くじら食文化を守る会」の川島明子会長を講師に迎え、鯨を使った炊き込みご飯とみそ汁、カツに挑戦した。最初に川島会長が作り方を実演。鯨の「赤肉」は、繊維を寸断するように切ると軟らかくなることなどを教えた。児童たちはそれぞれの役割を分担して協力して取り組んだ。
 約1時間かけて作った料理をそろって試食。古賀芹奈さん(12)は「カツを揚げるのが難しかった。みそ汁は鯨のだしが出ていておいしい」と満足そうに口に運んでいた。川島会長は「栄養満点の鯨の調理方法を家庭でも教えてあげて」と児童に語りかけた。
 料理教室は、長崎ならではの食文化を後世に伝えようと、市が昨年度から開始。市立丸尾中でも近く実施する。
(平成28年1月21日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

鯨を使った料理に協力して取り組む児童ら=長崎市、青潮学園

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