手倉森誠監督 インタビュー 優勝へ「ホームで全勝」

 今季から指揮を執り始めた手倉森誠監督に、チームの特色やリーグ戦の戦い方を聞いた。

 -いよいよ開幕する。
 俺は非常に落ち着いてるし、選手もたぶんそう。準備完了。あとは本番のスイッチをきっちり入れてあげるだけ。勝ち点の目標は特に設定せず、できるだけ多く積み上げたい。仙台時代にホーム27戦無敗の記録をつくったので長崎でも絶対、土をつけられたくない。ホームで全勝したい。そうなれば優勝争いできる。

 -新体制になり、戦い方にも変化が見られる。
 状況に応じた、全員がプレーしている感覚を持つサッカーを目指している。「リアクション」ではなく「アクション」になるサッカー。全員守備、全員攻撃で連動性のあるサッカー。戦術、戦略は相手チームによって変わる。思い通りにやれれば一番いいが、そうではない試合もある。その流れを察知するかどうかで勝ち負けは変わる。選手間の共通理解は深くなっている気はする。
 ただ、「新生」「生まれ変わった」とみんな言いたがるけれど、高木前監督が積み上げてきたものが間違いなく土台。昨年からの選手はものすごくポテンシャルが高いし、努力もしてきたし、彼らがやる気になってくれている。そこに俺が連れてきた新しいメンバーが融合し、調和している。

 -キャンプ中の実戦で、いろんな選手の組み合わせを試していた。開幕が近づき、スタメンは固まったか。
 シーズン中も固定せず、取っ換え引っ換えしていく。まず目指しているのはJ2優勝J1昇格だけど、その先を考えれば全員伸ばさないといけない。リーグ戦はタイトルのために戦うし、カップ戦は成長のための大会になるだろう。

 -J2はJ1より試合数が多く、11月まで絶え間なく試合が組まれている。長期戦を戦うためのポイントは。
 休めるときに休む。リーグに「動かされないように」しなければいけない。試合の日は決まっている。物理的に休めなかったら、頭を休める。雰囲気づくりが一層大切になる。

 -読者にメッセージを。
 ぜひ注目してほしい。そして巻き込まれてほしい。このチームはただ戦うだけでなく、県民にエネルギーを注ぐ姿勢で臨む。一緒に戦いたい。プロ選手だし、サポーターの期待は監督の言葉より影響は大きい。いい環境をつくってもらいたい。試合後の監督コメントにも注目してほしい。勝ったり負けたりした後のメッセージは大事だと思っている。

 【略歴】てぐらもり・まこと 青森県出身。現役時代は鹿島などでプレー。引退後に山形、大分、仙台でコーチを歴任した。2008~13年に監督を務めた仙台で09年にJ2優勝、J1でも11年4位、12年2位とチームを躍進させた。以降は世代別日本代表の監督を務め、16年にリオデジャネイロ五輪監督。18年ワールドカップロシア大会はコーチとして代表を指導した。51歳。

「ホームで全勝したい」と気合十分の手倉森監督。さまざまなステージで実績を残してきた手腕でV長崎を再びJ1へ導く=諫早市、なごみクラブハウス

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