福良育成統括GMが目指す“育成のオリックス” 「もう一度、力を入れないと」

昨年限りで監督を辞任した福良淳一氏【写真:荒川祐史】

昨年限りで監督を辞任し、育成統括ゼネラルマネージャーに就任した福良淳一氏

 昨年限りで監督を辞任し今季は育成統括ゼネラルマネージャー(GM)としてチームをバックアップする福良淳一氏がインタビューに応じ、未来のチーム像、マリナーズに“復帰”した盟友イチローについて語った。

 続投要請を受けながら低迷の責任を取り辞任した福良育成統括GM。ユニホームを脱いだ今キャンプは主に1軍の球場に隣接する2軍グラウンドで若手たちに目を光らせている。西、金子、中島、小谷野ら主力が抜けたチームの再建に必要なのは若手の育成だという。

「将来の戦力となる若手がどれだけ出てくるか。若手の育成にもう一度、力を入れないと。これまで即戦力(トレード、補強など)で補っていた部分を自前の選手でどれだけ固定できるか。少し時間はかかるかもしれないが、将来のレギュラーになる選手を作っていかないといけない」

 今季から2軍キャンプは全体練習を早めに終え、個別の練習を多く取り入れた。個人で考える時間を増やし必要なことはなにか? 自発的に練習を行える環境を作り、コーチ陣たちもそれに続く。改革の第一歩といってもいい。オリックス現役時代、そして日本ハムでも一緒だった中嶋聡2軍監督、中垣征一郎育成統括GM補佐兼パフォーマンス・ディレクターらと連係を取り「育成のオリックス」を目指していく。

昨オフ、イチローの練習を視察し仕上がりの早さを実感「元気そうにやっていた」

「2軍の練習が早く終わると勘違いをしないでほしい。自分で考える力をつける、やらされる練習をしても身にならない。今の自分にとって何が必要かを分かっていれば、吸収できる部分も多いですから。あとはフレッシュな状態で1日を初めてほしい。限界まで追い込んで、次の日に疲れた表情でグランドに入って練習になるとね……。今のところ2軍でケガ人はいない。少しづつ浸透していけばいい」

 シーズンが始まれば1、2軍の試合にも帯同し選手たちをチェックしていくことになる。そして今月中旬には約1週間の渡米が待っている。イチロー、ダルビッシュらが所属するメジャーチームの視察だ。選手復帰を果たしたイチローとは昨年オフに神戸の練習場で対面。毎年恒例となっている練習視察で仕上がりの良さを実感したという。

「去年はプレーできない時間もあったけど、あいつは常に準備、練習をしていたから。バッティング練習を見ても元気そうにやっていたし、(衰えなど)感じることはなかった。今年はメジャーのキャンプを見に行くことになったし、また会えるのが楽しみですね。どうしても年齢の部分で見られるけど、動きを見てれば全然問題ない。開幕戦も出るって報道を見たけど、しっかりとやると思う」

 育成統括GMとして迎える2019年シーズン。目先の勝利も大事になるが、一番必要なのは長期的にAクラス争いができるチーム作りだ。

「どれだけ選手たちが自分のことを理解して、考えて、実践できるか。この部分を生かしてやることができればいい。楽しみな選手も多いからね」(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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