県庁跡地の新文化施設計画 重要遺構出れば断念も

 長崎市の酒井英生企画財政部政策監は24日、市が新たな文化施設の整備を予定している旧県庁舎本館跡地(江戸町)を巡り、今後予定される埋蔵文化財調査で重要な遺構が出てくれば、本館跡地での整備は「諦めないといけないと個人的には思う」と述べた。ただ、その可能性は低いとした。
 市内で同日あった市文化振興審議会での発言。
 旧県庁舎跡地には江戸期の禁教前、キリスト教布教の重要拠点「岬の教会」やイエズス会本部があった。このうち本館跡地部分で市が文化施設を整備し、2024~25年度の開館を見込む。それに先立ち今年10月から初の本格的な埋蔵文化財調査が行われる予定。
 県と市は、本館が何度か建て直された経緯から地下はかく乱され、遺構はほぼ残っていないとみている。酒井政策監も「一級品の遺構が出てくる可能性は低い」との認識を示した。
 市は、仮に県庁舎跡地で建設できない場合は、今後移転する予定の市役所跡地での建設も想定している。

旧県庁舎=2018年10月、長崎市江戸町

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