当地でのバイク利用促進を目的に掲げる非営利団体、バイク・ニューヨークの広報ディレクター、ジョン・オーカットさんに、最新のニューヨーカーのバイク利用の動向を聞いた。
統計では、市運輸局が発表しているイーストリバーに架かる橋の1日平均の通行量(2万2408人、2017年)やレンタル・シェアバイク、シティバイクの年間利用数(1630万回、17年)といった数から利用者増加は確かに見て取れる。ただし、オーカットさんに言わせれば各団体の調査方法、場所はばらばらで、「実際には、出ている数字以上に利用者が増加していると思われます」とのことだ。
**環境整備で
意識が変化**
近年の利用者増加の大きな要因は市内の環境が整ってきたことだとオーカットさん。2007年以降、市の主導で市内各所でバイク専用レーンの整備が進んでいるのは周知の通りだが、さらにセントラルパーク、プロスペクトパークに至っては自動車通行が禁止されるなど、市民が安心してバイク利用をするためにかなりの配慮がされている。そしてもちろん、13年に登場し、拡充を続けるシティバイクの登場が、市民のバイクへのアクセスを容易にしたことも大きい。そうした環境の変化が住民の意識も変えたとオーカットさんはみている。
「これまでも短距離の移動の他、交通の便が悪いエリアや、渋滞でバスが進まないといったような場合ではバイク利用者は多かったと思います。駅を探す必要はないし、待ち時間もない。かかる時間も予測できます。さらに環境が整ったことで、今までは移動に公共交通機関しか選ばなかったた人たちが、バイクを移動手段のオプションとして考えられるようになったのではないかと思います」
**おすすめは
ハイブリッド**
通勤、趣味のために数台のバイクを乗り分けているオーカットさんに、初心者に適したバイクも聞いた。
市内のあらゆる場所で使うことを想定すると、シティバイクでも採用されている、ハイブリッド車種(多目的での利用が可能)がおすすめとのこと。
「マンハッタン内は比較的平坦ですが、橋を渡るとなるとアップダウンがきついからギアは欲しいですね。タイヤも太い方が安定します」。また、当地の最新トレンドは、電動アシスト自転車だそうで、シティバイクも採用している。
ちなみに、バイク・ニューヨークでは、子供から大人に向けた各種クラスを提供している。
「アメリカは車社会ですから、自転車に乗ったことがない大人も結構いますよ。文字通りペダルの漕ぎ方から、修理・メンテナンス方法も教えています」