入試願書の性別欄削除へ 性的少数者配慮 神奈川県内公立高

 神奈川県教育委員会は25日、2020年度の公立高校入試から、入学願書の性別記入欄を削除する方針を明らかにした。性的少数者(LGBTなど)に対する配慮の一環で、現在の中学2年生から対象になる。

 大阪府と福岡県は19年度入試から願書の性別欄をなくしており、県教委は「他県での廃止も大きい」と説明する。願書の一部を切り取る受検票からも性別の記載はなくなる。県内公立高校の現状の願書では、氏名や住所、生年月日、保護者の氏名、性別などを生徒自身が記入する必要がある。

 「性別の記入に抵抗がある生徒がいるが、どうすればいいか」という中学校からの問い合わせは以前からあり、県教委では、記入しなくても願書を受け付けることを伝えていた。公立高校入試では性別を分けた選抜をしていないため、性別の記入がなくても支障はないという。

 桐谷次郎教育長は「生徒への個別配慮にとどまらず、すべての生徒や教職員が性的少数者などの性的多様性への理解を一層深めることが大切」と述べた。

 25日の県議会本会議で、敷田博昭氏(自民党)の一般質問に答えた。

神奈川県庁

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