新入幕・友風 神奈川から24年ぶり幕内力士

 24年ぶりに神奈川県出身の幕内力士が誕生した。日本相撲協会は25日、大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表。東前頭13枚目で新入幕を果たした川崎市川崎区出身の友風(24)=本名南友太、尾車部屋=は堺市の宿舎で会見し、「三役を目指したい」と力強く語った。

 師匠の尾車親方(元大関琴風)と会見に臨んだ友風は「あまり実感は湧かないが、朝起きて番付表を見たら、一番上の段に名前が載っていてうれしかった」と丸顔をほころばせた。持ち味は突き押し相撲で、「幕内の土俵でも楽しみたい。自分の相撲にこだわっていきたい」と奮闘を誓った。

 初土俵からわずか所要11場所での新入幕となった。年6場所制となった1958年以降、幕下付け出しを除いて4位タイのスピード出世。日体大の先輩で兄弟子の嘉風をも上回り、「嘉風関の記録を何かしら抜くという目標が、まず一つ達成できた」と破顔した。

 尾車親方は「最低でも三役に上がってもらいたい。それ以上は本人の努力。これだったら負けないという形を身に付けてほしい」と注文。将来的な「琴風」襲名にも含みを持たせた。

 同協会によると、県勢の新入幕は95年の朝乃翔以来で戦後9人目。「神奈川の代表として誇らしい。地元も盛り上がってくれているので、励みになる」と感謝した。

 友風は県立向の岡工業高(川崎市多摩区)から日体大を経て2017年に角界入り。序ノ口優勝、三段目優勝を飾り、18年の11月場所では新十両優勝を果たした。

堺市の宿舎で新番付の名前を笑顔で指さす友風(24)=大阪府堺市

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