箱根の高齢者事故防げ 「免許返納」促進、観光業界が特典

 高齢者による交通事故を防ぐため、観光地・箱根でホテルや温泉施設など17団体が「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」に加盟し、26日に神奈川県箱根町湯本のあじさい橋で合同加盟式が行われた。免許返納者は加盟団体を利用する際、さまざまな特典が得られる。

 神奈川県警小田原署によると、町内で昨年発生した交通事故108件のうち、高齢者が関係するものは43件。そのうち33件は町外者による事故だった。同署としては箱根にやって来る高齢の観光客に免許返納を呼び掛けようと、町内の宿泊施設などに協力を求めていた。

 式では川瀬伸二署長が「返納の取り組みが進んでいけば、高齢者の事故が減っていくことが期待できる。署もさらに強力に取り組みたい」とあいさつ。箱根温泉旅館ホテル協同組合の鈴木茂雄理事長も「観光のお客さまが安全に楽しんでもらえるよう、皆さんで取り組みましょう」と呼び掛けた。

 免許返納者は町内、町外在住を問わず、加盟する施設などで運転経歴証明書を提示すれば、ワンドリンクサービスや売店で使えるチケットなどのサービスを受けられる。各団体のサービス内容などは近日中に県警ホームページに掲載される。

箱根のホテル、温泉施設などが参加した合同加盟式=箱根町湯本のあじさい橋

© 株式会社神奈川新聞社