犯罪被害者支援 条例化へ 長崎県

 長崎県は27日、犯罪被害者支援条例を制定する方針を明らかにした。新年度中の施行を目指す。条例素案によると、県や県民、事業者、市町の責務を明文化して二次被害防止を図るほか、長崎県に支援を総合的に実施するための窓口を設置。被害者の経済的負担の軽減を図る方針なども盛り込んだ。

 定例県議会一般質問で、山本啓介議員(自民)に木村伸次郎県民生活部長が答えた。

 条例素案では、長崎県は支援策を総合的に策定し、市町は県の施策への協力に努める責務があると明記。「二次被害」を犯罪被害後のネットでの中傷、報道機関の過熱取材などで受ける精神的な苦痛、経済的な損失などと定義した。県民や事業者にも二次被害が生じないよう配慮する責務があるとした。

 長崎県が被害者の経済的負担の軽減を図るため助成に関する情報提供や助言、必要な施策を講じる点も明記。県内で死傷者多数の事件が起き、支援の必要があると判断したときは市町などと連携し、緊急支援をする方針も記した。学校で、二次被害防止の重要性に理解を深める教育が行われるよう講師派遣などの施策を講じる点も盛り込んだ。

 長崎県によると、都道府県レベルで犯罪被害者支援に特化した条例は14道県が制定済み。県内市町では佐世保市が制定済みで、壱岐市も市議会定例会3月会議に提案する予定。

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