ホークス松田に直撃インタビュー…「パーソル賞」キャンプ潜入レポート後編

「パーソル賞」当選者と記念撮影をするソフトバンク・松田宣浩【写真:(C)PLM】

元気の理由は…「打つ・守る・走るは誰でもできる。でも…」

 パシフィック・リーグオフィシャルスポンサーのパーソルホールディングス株式会社は、2月3日に「『2018 パーソル クライマックスシリーズ パ』MVP選手を予想して優勝チームの春季キャンプに潜入しよう!」という企画を実施。MVP受賞者を的中させたファンの中から抽選で、福岡県在住の高校3年生、三宅寛人さんと深野貴文さんがソフトバンクの春季キャンプに招待された。

 三宅さんと深野さんが憧れの選手たちを間近にした様子と、プロ野球チームがキャンプで行う練習の模様を取り上げた前編に続き、今回の後編では、三宅さんと深野さんが松田宣浩内野手に行ったインタビューの様子をお届けしたい。

 松田は手にしていたバットをマイクのようにして発言者に向けるというユーモアも見せ、取材は終始和やかな雰囲気で行われた。詳細なインタビュー内容は以下の通りだ。

――キャンプが始まってから、今までの調子はどのくらいですか?

松田「また2月1日を迎えましたけど、1月にキツい自主トレをしてきたおかげで順調に怪我なくできているので、このままいい形で追い込むことができると思います」

――グアムで自主トレを行っていましたが、その際にはどのようなことを意識していますか?

松田「やはり、暖かいところで練習するのは、すぐに体ができていいんですよね。今年で13回目の自主トレになりますけど、まず、体を動かすためには暖かいところ、グアムでやろうと思ってるので、すごくいいです」

――ランナーがいる時といない時で、心境の変化はありますか? どんなことに気を付けて打席に立っていますか?

松田「やっぱり、ランナーがいると点が入る。そういった意味では『絶対打ってやろう』という強い気持ちで打てるんですけど、ランナーがいない時も気を抜くのではなくて、『塁に出るぞ』という気持ちで打つ。やっぱり、ランナーが二塁、三塁にいる時の方が気持ちは上がりますよね。でも、やっぱり『打ってやろう』と思わないとダメですね」

――2017年に背番号が「5」から「3」に変わり、今年は「3」からまた「5」に変わります。僕たちも18歳で、春から新天地でやるのですが、心境はどんな感じですか?

松田「背番号を変えて新しい気持ちで、と思っていますし、1年目にもらった背番号が5番なので、当時と同じ思いでボールを追いたいな、と考えました。それが一番、これからの成長に繋がるかなと思っています」

――松田選手が18歳だった頃の思い出を教えていただけますか?

松田「僕が18歳の頃は、ちょうど高校から大学に進学する時でした。今でも覚えてますけど、プロではなく、大学の野球部に入るところだったので、野球以外の面でも1つレベルが上の立場になるのでね。そういう意味では、死に物狂いでやっていた記憶があります」

――どういった経緯で、現在のような明るいキャラクターになられたんですか?

松田「元気がなかったら、この世界ではやっていけないかなと思ったんです。打つ・守る・走るは誰でもできる。でも、『元気』はプロ野球の世界では難しい感じだったので、そういった意味で、まずは『元気』という面で松田宣浩をアピールしたかったっていうのが出発点です」

――18歳の頃の松田さんはどういう人だったんですか?

松田「東京の大学生だったので、イケイケでした。(高校の時は)東海地域にいたんで、尚更イケイケでした」

――(一同笑)もし野球選手になっていなかったら、どのような職業に就いていましたか?

松田「野球しか考えてなかったので、ちょっとわかりませんけど。まあ、野球選手になれると思ってたので、そういった意味でも想像したことがなかったですね。なにかありましたっけ……元気屋さん!! 元気を商売にします(笑)」

「熱男2世」の候補に推された後輩たちに対して、松田の反応は……

――本多(雄一)さんが引退されて今季からコーチになられましたが、それについてはどう思いますか?

松田「今年から立場も変わって、コーチと選手の立場なのでね。13年間ずっと一緒にやってきたんで、すごい仲もいいんですけど、コーチと選手という一歩引かないといけない立場になるのですごく緊張してます。でも、彼はノックが上手いので、僕もめちゃくちゃ守備練習してうまくなるかなと期待しています」

――このキャンプでは内川さんの横でバッティング練習を行っていましたが、内川さんを意識したことはありますか?

松田「いや、内川さんを意識したことはありません。尊敬するような成績を出してるんですけど、同じ右バッターでもタイプが違うので、まったく別ものと考えています。でも、一緒にバッティングして技術を上げようとは思っています」

――松田さんにとって、気になる後輩はいますか?

松田「後輩の周東選手です。育成登録なんですけど、一生懸命頑張って支配下になろうと思っているので、皆さんに応援してほしいなと思います。自主トレも一緒にやりましたから、そういった意味では若い選手、(自主トレに)行った選手の動向は気にしていきたいと思っています」

――みんなが気になっている熱男2世ということで、(インタビュアーの)2人がそれぞれ推薦する選手がいるのですが、それについてもご意見をお伺いできますか?

――自分は増田珠選手かなと。

松田「ダメでしょう」

――真砂選手がいいと思います。

松田「ダメでしょう。一緒にしないでください」

――(一同笑)何か愛のあるアドバイスを……。

松田「一緒にしないでください。そんな簡単にやってないんで。こっちも一生懸命やっているんで」

――(一同笑)「熱男」を託せる後輩っていうのは……。

松田「まだいませんね。だからこそ、僕が一生懸命やっているのですが。託せるようになったら託したいと思います。現状ではいません」

――一度、城所さんと一緒に熱男をされていたと思いますが。

松田「あれ(城所氏)は高校の後輩でもあるし、1回くらいはいいかなと。2回目はないですね」

休日は宮崎市内の映画館に松田が!? 映画鑑賞時は「寒男です(笑)」

――今年の大きな目標は?

松田「怪我なく元気にサードのポジションを守り抜くというのもあるのですが、キャリアハイ、各部門においてプロ野球人生で一番の数字を出したいな、と思って、今は取り組んでいます」

――キャンプ時の休日における毎年の恒例行事であったり、楽しみにしていることはありますか?

松田「映画に行きたいです。明日『マスカレード・ホテル』を観に行きます。この時期しか行けないですからね。映画だけはしっかり観ています」

――キャンプの休みの日に宮崎市内の映画館に行くと、松田選手が……。

松田「絶対います」

――映画では感動したりするタイプですか?

松田「しません」

――(一同笑)映画を観る時は、熱男ではない……?

松田「はい、寒男です(笑)」

(球団スタッフ)1年間で結構観ますよね?

松田「はい、映画評論家もしているので(笑)」

 取材を終えた2人は、「的確に答えてくれてよかったです」(深野さん)、「緊張したのですが、松田選手が盛り上げてくれて嬉しかったです」(三宅さん)と、明るく取材に応じてくれた松田に感謝しきりだった。

 三宅さんは「自分でも野球をやっていますが、間近で見たプロの選手はすごすぎて、とても参考にはできないと感じました。インタビューも難しかったけれど、1日を通して楽しかったです」と、またとない経験に感銘を受けた様子。

 深野さんは「普段テレビでしか見られない人たちを間近で見られるという経験を、18歳の若さで体験できてよかったです。(インタビューの自己採点は)65点です。聞きたいことは聞けましたが、声が小さかったので……」と、夢のような1日を振り返っていた。

 憧れの選手たちと間近で触れ合える貴重な機会とあって、最初は2人とも緊張した様子だったが、最後は充実感のある表情で球場を後にした。得難い経験や多くのアドバイスを受けた若き2人にとって、この1日はかけがえのない思い出となったことだろう。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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