【平成の長崎】V・ファーレン長崎 ジャパネットが完全子会社へ 平成29(2017)年

 経営難に陥っているサッカーJ2、V・ファーレン長崎への支援を表明している通販大手ジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)は3月20日、V長崎株主への説明会を長崎市内で開き、完全子会社化する意向を改めて示した。同社は現在、20%弱の株式を保有する筆頭株主。週内に全株主の同意を得て、既存株式の原価買い取りを進める考えに対し、出席者はおおむね賛同したという。紆余(うよ)曲折したクラブの経営問題は再建に向けて大きく前進した。

 V長崎は4月に給与遅配が起きる可能性もあるため、ジャパネットは当面、スポンサー料などでの資金投入を続ける。非公開の説明会終了後、ジャパネットの高田旭人社長と、父で創業者の明氏が記者会見を開いて明らかにした。

 高田社長は「覚悟を持って応援したい。迅速な意思決定のため100%(子会社)にこだわる」と強調。経営参画を目指す明氏は「多くの人に試合を見てもらうため、勝つチームをつくる必要がある」と語った。

 説明会には63株主のうち、70%以上を保有する31株主が参加。主要株主の一人は「ジャパネットのノウハウは宣伝や集客に生かせる」と好意的に受け止め、別の個人株主は「地域でスクラムを組める態勢ができそうだ」と期待を込めた。V長崎の荒木健治会長は「(当初目指していた)県内事業者でガバナンスの利いた経営をする流れをつくれてよかった」と述べた。
(平成29年3月21日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

V長崎の株主に向けた説明会の内容について記者会見するジャパネットホールディングスの高田旭人社長(右)と創業者の高田明氏=長崎市筑後町、ホテルセントヒル長崎

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