手話言語条例施行1年 ビデオ通話使い県内初試行 今月から電話リレーサービス

出前講座など啓発活動継続 諫早市

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 手話への理解を進める諫早市手話言語条例が昨年4月に施行され、間もなく1年。市は、手話出前講座やリーフレット類の作成など地道な啓発活動を続ける。3月からは、手話を必要とする人が使いやすい環境整備の一環として、無料通信アプリ「LINE(ライン)」のビデオ通話機能を使い、手話による電話リレーサービスを県内で初めて試行する。
 同条例は「手話は言語」との認識に基づき、市の責務や市民、事業者らの役割を規定。県内では同市など8市町で施行している。
 手話による電話リレーサービスは、市内の聴覚障害者がLINEのビデオ通話を通し、市障害福祉課の手話通訳員に手話で生活上の支援を依頼。手話通訳員が依頼先に内容を電話で連絡する仕組み。これまで同課まで出向いて行っていた病院の受診予約や各種機関への手続きの依頼が自宅や外出先で可能となる。事前登録と利用予約が必要。
 手話出前講座は本年度、学校や保育所などで計15回実施、約820人が受講した。子ども向けなど3種類のリーフレットは、よく使う手話、手話の由来を示した「指文字」などをイラストで紹介。同課職員は毎朝5分程度の手話講座を行い、手話を使う人のすそ野拡大に努めている。
 手話出前講座で講師を務める県ろうあ協会諫早支部の原田育子さん(60)は「子どもが指の動きや表情を通して手話を楽しく学ぶ姿に、見て分かる言葉だと実感した」と若い世代への浸透に手応えを感じる。一方、学校での手話教育導入や聴覚に障害のある子どもを手話で育てる環境づくりを課題に挙げ、「手話が生活の一部になり、自然と手話表現が出る町になったらいい」と期待を寄せる。
 同条例制定を記念した「手話で楽しむ 手話を楽しむ 人形劇」(同事業実行委主催)が3月10日午後1時半、高城会館(高城町)で開かれる。聴覚障害者らでつくるプロ人形劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」による人形劇「一寸法師」と手話交流会があり、入場無料。120人。同課(電0957.22.1500)。

聴覚障害者と手話通訳員らが小学校に出向き、手話を教える出前講座(諫早市提供)
手話言語条例の趣旨や日常的に使う手話などを紹介したリーフレット類