「東日本大震災」関連倒産(2月度速報値)

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 2019年2月の「東日本大震災」関連倒産は2件(速報値:2月28日現在)だった。震災から8年を前にして収束傾向は強まっているが、関連倒産は96カ月連続で発生して累計件数が1,903件(2月28日現在)に達した。

2月の倒産事例

 肥料メーカーの東産商会(株)(旧商号:大栄物産(株)、TSR企業コード:291071970、東京都)は、1948年設立で福島県いわき市の小名浜工場で有機肥料等を製造していた。しかし、東日本大震災で工場が一時操業停止になり、その後も風評被害から売上が落ち込んだ。赤字経営になることが多く、経営合理化などで立て直しを図ったが業績を回復することができなかった。このため、2018年4月に新会社に事業譲渡すると同時に商号変更、その後特別清算を申請した。

 温泉旅館経営の(株)RON(旧商号:(株)千葉旅館、TSR企業コード:220104743、秋田県)は、1869年(明治2年)創業の老舗。鹿角市の大湯温泉において「龍門亭千葉旅館」(収容人数130名)を経営していた。しかし、業績低迷だったところに、東日本大震災で集客の伸び悩みに拍車がかかり、損失計上から債務超過が約2億5,000万円まで膨らんだ。このため、2018年8月に会社分割を実施して新設会社に事業譲渡。その後に商号変更して特別清算を申請した。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

 2月の地区別は、関東と東北が各1件(東京、秋田)だった。
 累計件数1,903件の都道府県別で、最も多かったのは東京の566件。次いで、宮城172件、北海道85件、岩手80件、神奈川79件、千葉と茨城が各75件、福島74件、福岡70件、群馬と栃木が各61件、静岡50件、山形48件、埼玉46件、大阪45件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は430件(構成比22.5%)だった。
 産業別では、最も多かったのが宿泊業や飲食業などを含むサービス業他の505件(構成比26.5%)。次いで、製造業438件(同23.0%)、卸売業348件(同18.2%)、建設業223件(同11.7%)、小売業180件(同9.4%)、運輸業79件、情報通信業64件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,701件(構成比89.3%)に対して、「直接型」が202件(同10.6%)だった。

東日本大震災関連倒産

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型) 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型) 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)

  • ※集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • ※「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)