2015年サイ・ヤング賞左腕 カイケルの動向は?

3月に突入し、レギュラーシーズン開幕が数週間後に迫るなか、2015年にア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたダラス・カイケルがまだフリーエージェント市場に残ったままとなっている。複数年の大型契約を模索しながらも、ここまでなかなか自身の市場が発達しないカイケル。MLB公式サイトのマーク・フェインサンドは、カイケルを獲得する可能性があるチームとしてパドレス、ブレーブス、アストロズの名前を挙げている。

今オフのフリーエージェント市場において、カイケルはパトリック・コービンと並ぶトップクラスの先発左腕として注目を集めるはずだった。ところが、コービンが早々にナショナルズと6年1億4000万ドルの契約を結んだのと対照的に、カイケルには具体的な契約交渉の話すら出ず、いまだ市場に残ったまま。調整期間を考えると、開幕から先発ローテーションの一角としてフル稼働するためには、そろそろタイムリミットが迫っている。

マニー・マチャドの獲得に成功したパドレスは、数年後の黄金期到来に向けて着々と準備を進めているが、パドレスが抱える多数のプロスペクトたちがメジャーに到達するにはもう少し時間がかかる見込み。それまでの「つなぎ役」として、あるいは今後メジャーに上がってくるプロスペクトたちの「生きた手本」として、カイケル獲得を目指すのは決して悪い選択ではないだろう。

ブレーブスは、同地区ライバルのフィリーズがド派手な戦力補強を展開していることもあり、地区連覇に向けて補強の必要性を感じていてもおかしくない。スプリング・トレーニングでは、先発ローテーションの一角を担うマイク・フォルティネビッチが肘、ケビン・ゴースマンが肩の状態に不安を抱えており、そうしたチーム事情にもカイケルはフィットする存在だ。しかし、両投手の状態はそれほど深刻ではなく、ブレーブスがカイケル獲得に動く可能性は低いとする声もある。

カイケルが昨季まで在籍したアストロズも、獲得候補の1つではあるものの、その可能性は低いと見られる。ただし、カイケルの実力をどのチームよりも理解しているのはアストロズであり、先発3番手以降が万全とは言えない状況であることを考えると、短期契約での再契約を目指す可能性はゼロではないだろう。

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