先週末、IFAB(国際サッカー評議会)はアバディーンで開催した総会でルール改正についての取り決めを行ったようだ。
そうした中、『Sky Sports』は「試合の重要な領域に劇的な影響を与えうる5つのルール」を取り上げた。
今年6月1日からトップリーグで発効になる新たなレギュレーションについて、元プレミアリーグ審判であるダーモット・ギャラガー氏が解説してくれたという。
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偶然のハンドによるゴールは有効でなくなる
選手の手に当たって決まったゴールは、故意であろうとなかろうと、もはや有効でなくなるだろう。
ダーモット・ギャラガー(元プレミアリーグ審判)
「これは重要なものになるはずです。
もう私達は腕に当たってゴールが決まることを見なくなるでしょうから」
ただ、曖昧な部分は残ったままだ。
ダーモット・ギャラガー(元プレミアリーグ審判)
「『体を大きく広げたのか、腕を不自然な位置に置いたのか』を問う問題はまだあるでしょう。
腕は体の近くにあるでしょうし、腕に当てっても、レフェリーはPKを取らないはずです」
※『BBC』では、「選手が“自然なシルエット”以上に腕を広げた場合にはハンドが与えられる。偶然だったとしても」としている。
PKのこぼれ球を押し込むのは不可(*後述)
PKがセーブされるかポストに当たった場合、リスタートのためにプレーがストップされるだろう。
つまり、選手たちがペナルティエリアの端に並んだり、こぼれ球を狙う光景はもはやなくなるということだ。
ダーモット・ギャラガー(元プレミアリーグ審判)
「もしポストに当たるかGKがセーブして、(ボールが)前方に戻ってきた場合、試合はストップされるでしょう。
(こぼれ球を押し込む)2回目のチャンスはなくなります」
交代になる選手はピッチ上のどこからでも去ることができる
時間稼ぎを防ぐため、交代になる選手はもはやハーフラインから去る必要がなくなり、ラインに最も近い位置から去ることが可能に。
ダーモット・ギャラガー(元プレミアリーグ審判)
「過去にはテクニカルエリアから最も遠いところに選手がいた時に交代を行うチームもありました。もはやこれは機能しません」
フリーキックの壁に攻撃側の選手は入れない
このルールはフリーキック時に攻撃側の選手が壁に立つことを禁止するもの。近年採用されるのが増えていた戦術だったが。
攻撃側の選手たちは壁から最低1メートルは離れた位置に立たされるだろう。守備側をどかすことを止めさせるのが目的だ。
監督にもカードが提示される
現状では監督に不品行があった場合、口頭で警告されるだけだ。だが、ルール変更によって選手同様にイエローとレッドカードを受けるだろう。
昨年にEFL(イングランド2~4部)が採用したルールと似ており、監督も1試合のベンチ入り禁止処分を科される。
ルール変更は決まったものの、解釈が微妙なものもあるようだ。
また、海外ではPKのこぼれ球についての変更が物議を醸しているが、『Sky Sports』の誤認もしくは勇み足の可能性を指摘する声もある。
この他、『BBC』では「特定の状況でレフェリーにボールが当たった場合にはドロップボールになる」、「PKの際、GKは片足だけゴールラインに乗っていればいい」という変更も認められたとしている。