弁護士で日本アイスホッケー連盟(JIHF)の委員という珍しい経歴ですが、弁護士を志した経緯は?
4歳から9歳までバージニア州で育ち、国際的な仕事がしたいと、漠然と思っていました。高校時代に、日本企業の海外進出を支える弁護士がいることを知って、面白そうだと思い、その道に進みました。
昨年から、日本の弁護士事務所に所属する傍ら、アメリカの法律事務所でも勤務しています。英語力を生かして相手にこちらの意図や思惑を伝え、契約交渉などを進めるところに、やりがいを感じています。
JIHF入りの経緯は?
アイスホッケーは6歳ごろから始めて帰国後も続けていましたが、弁護士の仕事が忙しくなったこともあって離れていました。ところが、2017年にJIHFの役員構成が変わり、理事と話をする機会が増えました。僕もいろいろ提案しているうちに、連盟の一員として活動させてもらうことになり、昨年組織に入ったというわけです。
**日本のアイスホッケー界の課題は何ですか?
**
これまで、他国の協会やリーグなどと積極的に連携する機会が少なくて、個人的な印象としては「ちょっとした鎖国状態」でした(苦笑)。このままでは低迷していくだけという厳しい状況なので、新しい風を吹き込もうと、今年1月にシンポジウムを主催しました。スポーツ界には保守的な意見もありますが、改革する、風穴を開けるというスタンスでないと新しいことは始められないので、根気強く続けていきます。
喜びを感じる点は?
スポーツコミュニティーは狭いので、すぐに人脈がつながる。今回のシンポジウムでも、プロ野球・日本ハムファイターズの杉浦稔大選手や、ラグビー女子日本代表の桑井亜乃選手に出席していただきました。行動すれば、発信力やインパクトのあることが実際にアレンジできるのが面白いです。また日本のスポーツ界は、その閉鎖性やパワハラなどが社会問題化しているので、その意味でも改革はやりがいがありそうです。
今後の目標は?
日本の子供の競技人口を増やすために、「二刀流」という概念を持ち込もうとしています。アメリカや北欧では、小さい頃にいろいろなスポーツをやり、勉強も頑張る、というのが普通ですが、日本は「○○一筋何年」といったことが美徳化され、それしかできなくなって、弊害をもたらしていると思います。
「二刀流」は、小さいころに多様なスポーツや習い事を経験して、その中の一つとしてアイスホッケーも考えてもらい、楽しかったら続ければいい、というアプローチです。その流れができれば、アイスホッケーを知る機会になり、その面白さを知った子供たちが増えれば、自然と日本のアイスホッケーが強くなっていくと思います。何より「二刀流」の考えを、アイスホッケー発で日本のスポーツ界全体に広げていくことが大事だと考えています。
『若者の日常チェック!』
**彼らは日常をどうやって過ごしているのか。
仕事場、オフの姿を追う。**