諫干訴訟差し戻し 最高裁に申し入れ 開門派弁護団

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防の開門調査問題で、開門を求める漁業者側弁護団は5日までに、上告中の開門請求訴訟など3件の慎重な審理を求める要請書を最高裁に提出し、審理を福岡高裁に差し戻すよう口頭で申し入れた。
 弁護団の堀良一事務局長は取材に対し、「利害関係を公平に話し合う和解協議での決着が求められる」と話した。
 弁護団は4日付で最高裁に要請書を提出。別の漁業者や干拓農地営農者の開門請求訴訟2件が長崎地裁で係争中で、諫早湾近辺の漁業被害が継続していることを理由に、「開門の是非は避けて通れない。紛争の全容を見渡した上で慎重な審理を求める」とした。
 3件の訴訟は、▽諫早市小長井町などの漁業者の開門請求▽開門差し止め長崎地裁判決に対する漁業者の独立当事者参加申し立て▽2010年の開門確定判決を事実上無効とした請求異議。

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