万葉公園再整備へ、民間ノウハウ活用 湯河原町

再整備される万葉公園(湯河原町提供)

 神奈川県湯河原町は、町立の万葉公園(同町宮上)について、民間の資本やノウハウを活用した再整備を進めるため、3月上旬にも民間事業者に向けて公募要項を公表する。6月から設計・工事を開始し、2021年4月の供用開始を予定。町の観光客数が減少傾向にある中、観光の中核施設として再生を図る。

 町まちづくり課などによると、1971年に都市公園として供用開始した万葉公園は、湯河原温泉発祥の地とされる温泉場地区の中心に位置し、「日本の歴史公園100選」にも選定された。日帰り温泉施設に隣接し、園内にも足湯施設を備えるなど、観光面で重要な役割を担ってきた。

 一方、近年は利用者が低迷。町は同公園などの再生、活用方法について2016年度から検討し、民間提案による収益還元型の整備手法「パークPFI制度」を導入して整備することとした。

 温泉施設や飲食、売店などの機能を持ち、誘客のきっかけや地区内の回遊性向上につながる「滞在型の癒やしの拠点」となる収益施設と、周辺の園路や広場といった公共部分の整備などを想定。同制度を導入することで従来の都市公園法の規定よりも長い期間、広い面積の収益施設を設置できるほか、民間事業者が収益施設周辺の公共部分と一体で整備することで自治体側の負担減にもなる。

 町は公募に向けて昨年9月に民間事業者からのヒアリングを実施し、挙がった意見などを基に公募要項案を策定。今年3月上旬にも公表し同中旬に説明会を開催する予定で、事業者を選定し6月に設計・工事を開始、21年4月に供用開始する。

 町側は「観光の中核として観光客が長くくつろぎ楽しんでもらえるような施設として整備していきたい」としている。

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