自宅に大量カップ麺 母ら送検 鶴見署 横浜・やけど3歳女児放置

自宅アパートを捜索し、押収物を運び出す捜査員

 大やけどを負った3歳の長女に必要な治療を受けさせず、自宅に放置したとして、母親(22)と同居する交際相手の男(21)が保護責任者遺棄容疑で逮捕された事件で、鶴見署は6日、横浜市鶴見区梶山2丁目の自宅アパートの居室を家宅捜索した。

 捜索は約2時間行われた。関係者によると、室内には衣服が雑然と脱ぎ捨てられ、子供用の服もあった。冷蔵庫は見当たらなかったといい、大量のカップ麺が床に置かれていた。風呂場の水道は、冷水と熱湯の蛇口のハンドルをそれぞれひねって湯温を調整するタイプだったという。

 署は5日、同容疑で無職の母親、交際相手で自称運転手の男の両容疑者を逮捕。長女は発見時、やけどを負った腰部分にラップを巻かれた状態だった。全治3カ月以上と診断されたが、命に別条はない。これまでの調べに対し、両容疑者は「やけどの認識はあったが、一緒にパチンコに行っていた」などと供述。母親は「数日前に長女と入浴中に、誤ってシャワーで熱湯をかけた」とも話している。署は日常的に放置するなどの虐待がなかったか、慎重に捜査する方針。署は6日、両容疑者を同容疑で送検した。

 林文子市長は6日の定例会見で、事件に至るまでの行政の対応について「どうすれば防ぐことができたか、しっかり検証したい」との方針を示した。

 この家庭を巡っては、区が昨年6月の時点で、長男(5)と長女のきょうだいを「要保護児童」とし、児童相談所と連携して見守りなどの支援に当たってきた。

 市長は「なんと痛ましいことかと、胸がつぶれる思いだった」と心境を吐露。行政の対応には「区と児童相談所は連携してきた」とする一方、「結果的にこういうことが起き、十分だったとは言えない」とした。

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