もしかして自分が悪い?山で起こった対人トラブルの対処法を考えてみた 山では対人関係のトラブルはつきもの。でもよく考えたら、これって自分が悪かったのかな?とおもうことありませんか。山で実際にあったトラブルの経験をもとに、「自分が悪かったのか」「あのときどうするべきだったのか」YAMA HACK編集部で考えてみました。良くなかった点は反省しつつも、時には気にしすぎないことも大切ですよ。

あれ、これって自分が悪いのかな…

きれいな景色においしいご飯、すがすがしい空気!楽しみがいっぱいの登山ですが、そんな気持ちを一瞬にして萎えさせるもの…それは「対人トラブル」ではないでしょうか。
メジャーな登山道や山小屋など人が集まるところでは、価値観の違いから対人トラブルはつきもの。YAMA HACK編集部が実際悩んだことのある「あれ?私が悪いの?」という経験をもとに、対処法をみんなで考えてみたいと思います。

CASE1 山頂って誰のもの?山頂を独占する迷惑な人たち

編集部員O

これはけっこうある~。トラブルになりたくないから、何も言わないことが多いけど…自分ではやらないように気を付けてる。

編集部員K

ねちっこく言うのはあまり気持ちの良い感じじゃないね。

結論:人のふり見てわがふり直せ!

人のふり見てわがふり直せとはまさにこのこと。自分は同じ過ちをおかさないよう、気を付けるのが一番ではないでしょうか。

もし急いでいて、山頂で写真を撮りたいときは、「写真を撮ってほしいのですが」と一声かけてみましょう、察してくれるはずです。小分けのお菓子などを「譲ってくれてありがとう」と渡すのも良いかもしれませんね。

CASE2 今日の晩御飯がない!!テント場での盗難

編集部員S

こんなことあるんやな…腹減っているときにやられたら怒りしかない。

編集部員F

買ったビールのつまみがないのは悲しいね。

編集部員S

え?そこ??w

結論:盗難されないような対策も必要!自分の身は自分で守ろう

もちろん取ったほうが悪いということは前提にありますが、誰がいるかわからないテント場、最大限の盗難対策は必要かもしれません。食べ物であれば食べればなくなってしまいますし、混みあったテント場ならば犯人の特定や追及は難しいでしょう。山小屋の食事についても、ハイシーズンの週末などは宿泊者が優先となってしまいますので、今回の場合は運が悪かった、と割り切りましょう。

何かあったときのために1食分多く持っていくと、非常時だけでなく今回ようなケースにも対応できますよ。

CASE3 そんなにうるさくしていたつもりはなかったのですが…

編集部員J

これは結構あるあるなお悩みだよね。うるさくしているつもりはないんだけどな。

編集部員N

疲れて今すぐ寝たいっていう人は気になるかもですね。

結論:20時以降はお静かに!早く着いてテントを張る場所を考えるのも手

テント場での声に関するトラブルは結構頻繁にあるのではないでしょうか。常識の範囲内のボリュームであればそんなに気にする必要はないですが、声の感じ方は人それぞれなので、混んでいるテント場などでは注意したほうがいいですね。可能であれば、テントを張る段階でソロっぽい人の近くは避け、グループの近くに張るなどで自己防御は可能かもしれません。

就寝時間を過ぎてからのおしゃべりはもちろんNG。就寝時間前に寝る人も結構いますので、早めに静かにするに越したことはないです。朝が早い人もいますので、ルールは守りましょう。

CASE4 登山道は誰のもの?トレイルランナーとの共存

編集部員S

これも結構ある。追い抜き問題は登山者同士でもある気がするな。

編集部員O

すれ違いや追い抜きができない場所だと、タイミングが難しいよね。熊鈴をつけて存在をアピールしてみるとか?

結論:登山者の常識=トレランの常識と思わない!思いやりの心を持とう

トレランの方とのマナーの違いも、意見の食い違いが多い話題のひとつですね。トレラン側も早く行きたい気持ちはわかりますが、狭い登山道では譲りあいの精神が大切です。もしかして相手には場所は関係なく、「なかなか譲ってくれないな」といらだっていたかもしれません。立場が違えば見えるものも違うのです。

逆に登山者側も、マナーだと思っていたことが必ずしも正解でないこともあります。例えば、すれ違いのあいさつ。状況によってはあいさつする余裕がない時もあるので、山では「絶対に」挨拶しなければ!という気持ちは捨てても良いのかもしれません。

CASE5 厳冬期の鎖場は慎重に!

編集部員F

鎖場は一人ずつ渡れって聞いたことがあるよ。

編集部員N

SNSで非難されるのはちょっと傷つきますね。

結論:鎖場は一人ずつ通過するのがマナー、アイゼンは時に凶器になることも

これは残念ですが、自分が悪いと認めざるを得ないケースですね。まず鎖場は一人ずつわたるのが正しいルールです。今回のような厳冬期の冬山のケースだと、後続の人が転んでしまったら、アイゼンが上から振ってくるため連続追突事故になり危険です。大怪我をすることもあるかもしれません。今回は怪我がなくてよかったですが、次回同じことを起こさないよう、SNSで皆さんが助けてくれたと割り切ってみるのはいかがでしょうか。

ほんの少しの気遣いと鈍感力で、登山は100倍快適になる

山での対人トラブルは、事前に予測が不可能なものが多いです。もしかしたら理不尽だなと思うこともあるかもしれません。でもいつまでも引きずっていたら、楽しいはずの山行も楽しくなくなってしまいます。相手の立場をほんの少し考える「気遣い」と、こんなこともあるさと割り切る「鈍感力」をうまく使い分けましょう。

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