1年の充電期間を経て新たなアプローチでF1に挑むクビアト。「ドライバーとしてより成長できた」

 2019年のF1ファンは、向上した新たな姿のダニール・クビアトを目にすることになるだろう。トロロッソ・ホンダに復帰したクビアトは、自身のレースへの新たなアプローチが、レーストラックで確かな結果を生み出すことを期待している。

 現在のクビアトがF1において新たなチャンス得る資格があると考えたレッドブルのモータースポーツコンサルタントであるヘルムート・マルコのおかげで、レギュラードライバーの座から1年離れていたクビアトは、2019年シーズンからグリッドに復帰する。

 24歳のクビアトは、2018年のアブダビでのオフシーズンテストでF1に復帰した際は、自分がどの位置につけているのか正確に分からず、不安を感じていたことを認めた。

「テストの前は、正直なところ不安だった」とクビアトはスペインのバルセロナテストの現場でGPFansに語った。

「F1とマシン、それにコースでの走行から長く離れていたからね。テストを行うにあたって、容易い日々ではなかったが、別の意味ではとても幸せな日々だった」

「長く離れていた後だから、全体的にドライビングをどうこなしていくのか分からない事もあったんだ」

「でも5周も走るうちに、通常の状態に戻ることができた。フランツ(・トスト、トロロッソF1チーム代表)が言っていたように、長く離れていたという感じがしなかったんだ」

■2018年はフェラーリのシミュレーター作業で自身を振り返ったというクビアト

 クビアトはF1グリッドから離れていた1年、マラネロにあるフェラーリのシミュレータールームの中で、F1について熟考し自身を振り返る機会を持つことになった。

 最終的に、その1年は有益なものになり、コース内外における人生に新たなアプローチを生み出したとクビアトは考えている。

「最後にグリッドにいた時と比べて、状況は変化したと思う」

「ある意味では、物事を整理して振り返り、ドライバーとしてより成長するための1年の時間を持てたことは良かったと思うよ」

「仕事やドライビングに対する自分のアプローチの変化が、コース上で良い形で反映されることを願っている」

 クビアトは、2017年に突然彼を解雇したチームに戻るのに躊躇することはなかったか尋ねられたが、オファーを断ることは考えられなかったと主張している。

「二の足を踏むことはなかった。僕は復帰したかったし、(トロロッソとともに)やりたいことがたくさんあった。このチームでベストを尽くすために復帰したいと言ったんだ。2018年を通じて(レースをしたいと)強く切望するようになった」

「今では完全に通常の状態に戻ったと感じている。F1に夢中になっているし、マシンに乗って出て行くたびに、すべてのプロセスを楽しんでいる。喜びを感じているよ」

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