大鯨の酒杯や翔鶴の文鎮など 横須賀の歴史伝える品を展示

軍艦進水記念の酒杯や絵はがきなどが並ぶミニ展示コーナー=横須賀市立中央図書館

 横須賀市市史資料室に寄贈された品々を紹介するミニ展示会が27日まで、市立中央図書館(神奈川県横須賀市上町)の1階ロビーで行われている。軍艦進水記念の酒杯や記念品、絵はがきなど約70点が並び、軍港都市・横須賀の歴史を感じさせる。

 同室が新市史編さん期間中(2000~16年度)に収集した膨大な古文書や図書、写真などから、近現代に焦点を当て、新市史で取り上げることが少なかった記念品や生活用品などを初めて蔵出しした。

 軍港都市らしい品では、戦前の軍艦進水記念品が目を引く。進水式は当時、横須賀海軍海軍工廠(しょう)だけでなく、市を挙げての記念行事だったといい、記念品も関係者に広く配られたという。

 ロビーには、内底や底面に「むつ」「軍艦大鯨進水記念」などと描かれた陶磁製の酒杯、ガラス製の航空母艦「翔鶴」の文鎮、敷設艦「津軽」のプレート、各種絵はがきなどが並ぶ。

 また、1950年の朝鮮戦争前後に横須賀に寄港した国連軍兵士向けに土産品として販売されていたハンカチも展示。当時、市内に数多く出店したスーベニアショップで扱っていたものとみられ、花や富士山、国連軍兵士などが描かれている。

 このほか、さいか屋の戦前のものとみられる包装紙やちらし、酒を量り売りしていた酒屋の屋号入りのとっくりなど往事の庶民の生活が感じられる品もある。

 市市史資料室では「横須賀の人々が何げなく使った物にもその時代が反映している。展示品から当時の世相を感じてほしい」と話している。

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