女性議員は増えるか

 世界全体では24%だが、日本は10%。2018年の国会議員に占める女性の割合だ。193カ国中、日本は165位という▲経済的には先進国であっても、政治に関する男女平等に関しては後進的な日本。地方議会も国会と大差ない。内閣府によると、全国の地方議員に占める女性の比率は17年末で13%という▲世の中の半分は女性なのに、女性議員が少なすぎるという指摘は絶えない。安倍政権は女性活躍推進を看板政策として掲げているものの、政治の世界ではなかなか女性参加が進まない▲昨年は「政治分野の男女共同参画推進法」が成立、擁立する候補者を「できるだけ男女均等」にするよう政党に努力義務を課した。だが3週間後に告示される県議選の立候補予定者を見ると、62人中女性は8人にとどまっている。候補を掘り起こす努力はあったかもしれないが、均等には程遠い▲推進法が制定されて初の大型国政選挙となる夏の参院選に向けて、自民、公明両党は女性候補者擁立の数値目標設定を見送ることにした。現職男性が多く、対応が難しいと判断したという。「男女均等へ」とする法の趣旨は早くもかすむ▲きょう8日は国際女性デー。さまざまな分野で女性の社会参画を広げる日だが、政治分野での本気度は疑わしい限りで、ついため息が出る。(泉)

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