「スナックに通う金欲しかった」 特別背任で元役員ら逮捕

 取引先に架空発注を繰り返して勤務先に損害を与えたとして、戸部署は6日、会社法違反(特別背任)の疑いで、元運送会社役員の男(63)=東京都町田市=と、自営業の男(55)=神戸市須磨区=の両容疑者を逮捕した。

 署は、当時運送会社の常務だった男が、旧知の仲の自営業の男に不正を持ち掛け、2012年4月~15年10月、43回にわたり架空の業務費として計約1300万円を請求させたとみている。自営業の男は毎回5千~1万円を受け取り、残額を役員の男の口座に入金していたという。

 逮捕容疑は、共謀して12年4月~13年2月、横浜市西区の運送会社に約244万円の損害を与えた、としている。ともに容疑を認め、役員の男は「スナック通いやギャンブルに使う遊興費が欲しかった」、自営業の男は「役員の男に頼まれてやった」と供述している。

 署によると、15年10月に税務署の調査で不正が発覚し、同社が16年12月に役員の男を告訴した。同容疑者は発覚後に退職していた。

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