ハム吉田輝は新人王の巨人澤村クラス! 21年目捕手が証言「ドォーンと来る」

日本ハム・吉田輝星【写真:荒川祐史】

日本ハム實松一成捕手兼育成コーチが証言「全身を使って投げられる投手」

 3月中旬の対外試合デビューが期待される日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手。ロッテとのオープン戦が雨天中止となった7日は千葉・鎌ケ谷市内の屋内練習場でブルペン入り。スライダー、カーブを交えて41球を投げた。

 昨夏の甲子園でエースとして”金農旋風”を牽引し、秋田県勢103年ぶりに甲子園準優勝。抜群の注目度を誇る黄金ルーキーだが、実際の実力はどうなのか。「持っているものはいいでしょ。真っすぐも腕の振りがいい。下半身を使って、全身で投げられる投手。すごくいいと思う」と高く評価したのはプロ21年目の實松一成捕手兼育成コーチだ。

 1980年度生まれで松坂世代の1人。佐賀学園高では高校日本代表として松坂大輔、杉内俊哉らとバッテリーを組み、1998年ドラフト1位で日本ハム入り。06年から巨人でプレーし、阿部慎之助の控え捕手としてチームを支えた。シーズン中は試合開始の6時間以上からデータ、配球などを研究。同僚から”準備の鬼”と評される捕手が例えたのは、2011年セ・リーグ新人王に輝いた澤村拓一だった。

「直球は独特と言ったら独特だけど、澤村のいい時の真っ直ぐに似ています」

「(吉田輝の)直球は独特と言ったら独特だけど、澤村のいい時の真っ直ぐに似ています。(澤村が)1年目、2年目の。ドォーンと来る。そんな感じかな。イメージ的には似ている感覚はあります」

 澤村は大卒1年目の11年に11勝(11敗)、防御率2.03で新人王を獲得。2年目の12年にも10勝(10敗)、防御率2.86をマーク。最速155キロの剛速球を何よりの武器としている。

「(吉田輝も)真っ直ぐが武器でしょ。速い球を投げたくても投げられない投手がいっぱいいる。小さくなってほしくない。この大きなスケールのままやってくれれば」
 
 實松は今季でプロ21年目。これまで同級生の松坂大輔、杉内俊哉をはじめ、菅野智之ら数々の名投手の球を受け、昨季からは育成コーチとして日本ハムの根幹となる若手育成に尽力している。年の差20歳と離れた吉田輝には、いずれ球界を引っ張る大投手になることを願っている。(Full-Count編集部)

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