明智光秀の視点から戦国時代の青春群像を描いたNHK2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」の出演者が3月8日、明らかになった。現在の連続テレビ小説「まんぷく」でヒロイン(安藤サクラさん)の夫萬平さん役の長谷川博己さんが光秀役として主演することは報じられている。新たなキャストとして、美濃の戦国大名の斎藤道三役を本木雅弘さん、織田信長役を染谷将太さん、光秀の母役に石川さゆりさん、道三の娘で信長の妻となる濃姫役を沢尻エリカさんが演じる。ほかに、門脇麦さん、堺正章さん、岡村隆史さんが光秀を支える役として登場する。(まとめ 共同通信=柴田友明)
8日にNHKが明らかにした「麒麟がくる」の企画趣旨では―
「謎めいた明智光秀の前半生に光を当て、彼の生涯を中心に、戦国の英傑たちの運命の行く末を描く」
「従来の価値観が崩壊し、新たな道を模索する現代の多くの日本人に向けて、同じように未来が見えなかった16世紀の混迷の中で、懸命に希望の光を追い求めた光秀と数多くの英傑たちの青春の志を、エネルギッシュな群像劇として描き、2020年、新たな時代を迎えるすべての日本人に希望と勇気の物語」
―としている。
四半世紀前の大河ドラマ「国盗り物語」(1973~74年、司馬遼太郎さん原作)でも舞台は美濃(岐阜県)、尾張(愛知県)で斎藤道三役を平幹二朗さん、織田信長役を高橋英樹さん、明智光秀役を近藤正臣さんが演じている。
この時の濃姫役を20歳前後の松坂慶子さんが演じているのも何かの縁でしょうか…。朝ドラの「まんぷく」で萬平さんの義母役として「私は武士の娘です」の決めぜりふで注目された。
【エンタメコラム】
制作統括の落合将さんはこれまでのコメントとして―
「戦後の焼け野原から国民一丸となり、幸福ともいえる一体感をもって経済成長をとげた『昭和』が終焉しゅうえんし、そのあとにつづいた30年にわたる『平成』もまた今終わろうとしています。思えば、『平成』は新たな格差社会の到来、無縁社会など家族のありかたの劇的な変化、震災や大雨などの大災害の発生など、大きな影が日本を覆いはじめた時代です。そしてその影は、今日も多くの日本人一人一人に覆いかぶさっています」
「明智光秀が生きる1540年代からの室町時代末期もそんな、古いモラルが崩壊し、新しいモラルを模索することを日本人に強いられた激動の時代です。何を信じればいいのか分からない苦しい時代のなか、青年の光秀や信長はもがきます。そして迷路の中で自分の信念だけを胸に、新しい価値を自分たちだけでつくりあげていきます。いつの時代も混乱した社会に新しい光の道筋をつけていくのは血気盛んな若者たちなのです」
「麒麟は一体誰のもとに来るのか…まだ鉄砲もろくにないころの戦国の夜明けを舞台に、記念すべき年の大河ドラマは原点に帰って、『毎週わくわく見てしまう』英傑たちの青春群像劇を届けるべく、邁進したいと思っています」
―と述べている。
【エンタメコラム】
主演の長谷川博己さんはこれまでに「家政婦のミタ」「八重の桜」「セカンドバージン」など話題のドラマに出演。映画『シン・ゴジラ』でも注目されただけに、どのような光秀役となるか楽しみだ。