昆虫食が食料危機救う!?長崎バイオパークで試食イベント 素揚げ、つくだ煮提供「パリパリとしたエビのような歯応え」

 世界の食料危機を救う存在として注目されている「昆虫食」を知ってもらおうと、長崎バイオパーク(西海市西彼町)は9、10両日の午後1時半から、イナゴやスズメバチなどの試食イベント「むしくい」を開く。副園長の伊藤雅男さん(57)は「食料問題や食文化を考えるきっかけになれば」と期待している。
 同園で開催中の「食べられる昆虫展」(4月14日まで)の特別企画。同園によると、国連食糧農業機関(FAO)は2013年、食料危機の解決に昆虫を活用する報告をまとめた。昆虫は家畜と比べ飼育が容易で、環境負荷も低いとされる。食べるとタンパク質やビタミンなどの栄養が摂取できる。
 試食イベントでは、園内のハチの駆除を兼ねて捕獲したスズメバチの素揚げや、イナゴのつくだ煮などを提供する。いずれもパリパリとしたエビのような歯応えだ。「昆虫類と、エビなどの甲殻類は節足動物の仲間で味も近いのかもしれない」と伊藤さん。
 国内では長野や宮崎などの山間地に昆虫食の文化が残っているという。長野生まれの伊藤さんは「虫はかつて海がない地方のタンパク源としての役割もあった。所変われば食文化も変わることに思いをはせてほしい」と来場を呼び掛けている。
 試食イベントは24、31両日の午後1時半にも開催する。

試食会のために捕獲したスズメバチを手にする伊藤さん=西海市、長崎バイオパーク
試食できる(左から)イナゴのつくだ煮、乾燥幼虫、乾燥コオロギ

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