9月20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会を前に、トンガ代表チームの公認キャンプ地、島原市が気をもんでいる。受け入れ準備が着々と進む中、同国を含む太平洋地域の一部選手がW杯のボイコットを検討していると報じられたためだ。
島原市は昨年4月、トンガ代表の公認キャンプ地に内定。7月に正式決定した。1次リーグ(9月20日~10月中旬)の期間中、同国から選手やスタッフら計50~60人が訪れる予定。
ところが、同国など太平洋地域出身のプロ選手で構成する選手会が今月初め、国際統括団体のワールドラグビー(WR)が計画する新たな国際大会にサモア、フィジー、トンガの3カ国が含まれないことに抗議。W杯のボイコットを検討していると表明し波紋が広がっている。
島原市は2日、W杯大会組織委に問い合わせたが、「詳細は不明」と回答を受けた。市担当者は「現在も報道以外の情報が何もない」と不安を口にする。
代表チームの訪問に向けて市は練習場所となる競技場に、キャンプ地の規格に合ったゴールポストを設置する工事を進めている。また、セキュリティーフェンスの新設や選手用トレーニング機材の導入などを予定。新年度一般会計当初予算案に関連費1900万円を盛り込んだ。島原市内の小中学生と選手との交流イベントなども検討しているという。
今後の推移を注視しつつ、従来通り大会組織委と連携を密にして「影響はないとの前提で準備を進める」と島原市担当者。万全の態勢で選手を受け入れ「市全体で大会を盛り上げ、地域スポーツの振興や島原の魅力PRにもつなげたい」としている。