いつの時代も釣り人を悩ませる「アレ」。
釣りをする上で切っても切れないのが根掛かり。根掛かりとは魚ではなく地球を釣ってしまう……という壮大なトラブル。
大事なルアーをなくしてしまうし、釣りのリズムも崩れてしまうし出来ればしたくないもの。今回はそんな根掛かりを激減させることが出来る技をご紹介します!
この記事を書いた人
ビックリマン高田
世界一「根掛かりを恐れる」プロガイド。お客さんはもちろん、自身も年間300日くらい釣りに行くので、根掛かりを上手く回避出来るかどうかは死活問題。
根掛かり回避術〈初級編〉
①サミング
サミングとは、キャストやフォールの最中にスプールエッジに指を当て、出て行く糸のスピードを調整すること。
同じように投げているのに、なぜ初心者ばかり根掛かってしまうのか……。その違いはサミングをしているかどうかにあります。
キャスト時にはミスキャストによる根掛かりの回避、フォール時には落ちるスピードを調整することで、無用に障害物(底の沈みものなど)に突き刺さってしまうトラブルを回避できます。
※こんな方法でもOK!
スピニングタックルのサミングは人差し指でスプールエッジを押さえる”フェザリング”が主流ですが、難しい場合は空いてる手をスプールエッジに添えるだけでもOK。
②足元の障害物に気を付ける
初心者が根掛かりすることが多い場所のひとつが、意外にもルアーを回収する直前の足元です。足元には根掛かりする要素が沢山潜んでいます。
最も気をつけなければいけない地形は、足元が急激にシャローになる時です。
急に手前が浅くなっている場所で、投げた沖と同じ水深の感覚でそのまま巻くと、ルアーが手前の浅い場所にある沈み石や倒木などの障害物に突き刺さってしまうことがあるのです。
そのため水深を見ながら地面に突き刺さらないルアーを選んで、巻きスピードやロッドを少し立ててやるなどして根掛かりを回避しましょう。
ただしそういった場所は魚がよく釣れるという側面もあるので、根掛かり回避しながらもキチッと狙いたいところです。
③軽めのシンカーを使う
テキサスリグなどで重すぎるシンカーを使っていると、根掛かりが頻発することがあります。
水深や流れのなかで、ギリギリ底の感覚がわかる軽いシンカーを基準に選ぶことで、岩などに挟まるリスクを減らすことが可能です。
④焦らず「トントン!」
障害物に軽く掛かってしまった時に焦ってしまい、ロッドを不必要に煽って自分から根掛かりを悪化させてしまう人も多くいます。
軽くスタックしたら、上の写真のようにロッドを「トントン」と叩きながら、丁寧にほぐすように根掛かりを外しましょう。
特にグリップエンドを叩く外し方は軽症の根掛かり時においては簡単でお勧めです。ほとんど根掛かりはこれで取れるはずです。
※ティップに糸が絡んだ状態でこれをやると竿が折れてしまうので必ず事前に糸絡みがないかチェックしましょう。
根掛かり回避術〈上級編〉
⑤ラインで地形の様子を先に察知する
ルアーの先に必ずあるのはラインです。ラインをルアーよりも沈めて引くことでルアーが障害物に当たるよりも先に障害物の有無を察知することができます。
障害物を先に察知出来たなら、そこで巻きスピードを上げたり、ロッドを立てたりして根掛かりを回避することが可能です。比重の高いフロロラインだと特に察知がしやすいでしょう。
⑥ティップの硬さと弾性を意識する
根掛かりには種類があり、岩場や倒木に引っかかった場合には意外にもフックは刺さっておらず、ラインやルアーアイが岩や倒木の隙間に挟まってしまっているようなケースが多いです。
そんな軽度の根掛かりを回避する際には、適度に硬いティップと高弾性のロッドが有効です。ロッドが硬かったり、弾性があれば障害物に挟まりそうになった時に反動で回避してくれることが多々あります。
バス用のジグロッドなどが硬く弾性が高い理由はこの点にあります。
⑦メンディングする
糸にテンションをかけて、トレースコースを設定してやるテクニックがメンディングです。
ルアーはラインにそったコースを泳ぐので、着水と同時に泳ぐコースを決めてあげれば無用な根掛かりを回避することができます。
シーバス釣りなど、流れの速いエリアで釣りをする場合は特に注意。ラインが流れにのってしまうと、意図しないコースを通過することにつながります。
さらに沈むルアー(シンキング)を使っていると、ラインやルアーがボトム付近の障害物にスタックしてしまうリスクも……。
適度にテンションを加えながら、トレースコースをコントロールすれば今よりも根掛かりを回避することができるでしょう。
※以前おこなった、編集部Iさんとの対決企画においてもメンディングを多用していました。
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少しの工夫で大事なルアーを守ろう
釣りと根掛かりは切っても切れない存在です。魚は障害物を好むことが多いので必要以上に根掛かりを恐れていては魚を釣ることが難しくなります。
それでも大事なルアーは無くしたくないもの。今回挙げたいくつかの点を意識しながら釣りをすれば根掛かり激減するはず。障害物と上手く付き合って楽しいフィッシングライフを!