【MLB】開幕投手決定の田中将大が誇る「歴史的」な指標…名投手が絶賛「素晴らしい」

ヤンキース・田中将大【写真:田口有史】

開幕投手を“完全試合男”が称賛、7年契約には「それ以上の価値がある」

 ヤンキースの田中将大投手は8日(日本時間9日)、本拠地タイガース戦でオープン戦2度目の先発マウンドに上がり、3回1/3を投げて4安打2失点5奪三振1四球と上々の投球を見せた。2年ぶりの開幕投手を務めることが決まった日本人右腕の武器の一つが制球力。ヤンキースOBはある指標について「リーグにおいて、歴史的」と絶大な評価を与えている。

 初回から切れ味のある投球を見せた田中。先頭打者から4者連続三振という立ち上がりで、2、3回と1点ずつを失ったものの、4回に先頭打者を三ゴロに打ち取ったところで降板。53球を投げて、ストライクは34球という内容だった。

 エース右腕のルイス・セベリーノ投手が故障の影響で開幕に間に合わない可能性の高い投手陣の中で、6シーズン目を迎える田中はヤンキースOBから絶大な信頼を寄せられている。

「マウンドでピッチングプレートを踏みしめるのは、タナカサーン! 去年も27試合先発、全体的に非常に安定していました。いつも通り四球は少ない。1イニング平均奪三振はそれ以上です。素晴らしいピッチャーです。我々は7年契約を結びましたが、それ以上の価値があります」

 中継局「YESネットワーク」で解説を務めていたメジャー通算194勝のデビッド・コーン氏は、こうまくし立てた。1994年にはサイ・ヤング賞に輝き、1999年にはヤンキースで完全試合を達成した名右腕だ。

田中のK/BBは4.99「これはリーグにおいて、歴史的です」

 2014年1月に7年総額1億5500万ドル(約172億3000万円)という、当時投手メジャー史上5位のメガディールを結んだ田中。前年に日本で24勝0敗という空前の記録を残していたとはいえ、メジャーでは実績のない右腕の巨額契約には波紋も広がったが、今やそれもお買い得だったとOBは力説。際立っているのは奪三振能力と、それを支える制球力だという。

「5年間は堅実なパフォーマンスを見せてくれました。798奪三振は球団でデビュー以来5年間でニューヨークヤンキース史上最多の数字です。続くのはアンディ・ペティットの709奪三振です。奪三振と四球の比率は4.99で、これもトップです。これはリーグにおいて、歴史的です」

 コーン氏はこう絶賛した。メジャーで投手の評価基準の一つとされている「K/BB」。奪三振と四球の比率を示す数値だが、田中は800イニング以上を投げている投手ではメジャー歴代3位の数値。1位はクリス・セール投手(レッドソックス)の5.61、2位はコーリ・クルーバー投手(インディアンス)の5.16と上位にはメジャーを代表する投手の名前が並ぶ。

 なお、規定を満たした投手で作成されたMLB公式サイトの歴代ランキングでは、1880年代に活躍したトミー・ボンドの4.83が1位で、2位は通算216勝のカート・シリングの4.38、3位以下は現役のクレイトン・カーショー(ドジャース)が4.24、マックス・シャーザー(ナショナルズ)が4.19で続く。3.5を超えると優秀と評価されるK/BB。田中がイニング数を積み重ね、現在の数値を維持すれば、確かに「歴史的」な数字だ。6年目の活躍に期待度が高まっている。(Full-Count編集部)

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