2月某日、『サッカーを通してカンボジアの子ども達に幸せと笑顔を作る』を理念に活動する学生団体、【World fut】の石塚来輝さんにお話を伺った。
幼少期の原体験がきっかけでWorld futに加入
世界の200を超える国と地域で親しまれているサッカーの力は絶大だ。そんなサッカーの力を活用し、カンボジアを支援する学生団体World futに所属する大学2年生の石塚来輝さんに話しを聞いた。
辻本:本日はよろしくお願いします。
石塚氏:よろしくお願いします。
辻本:まず初めに、World futがどのような活動をしているか教えてください。
石塚:現在は大学の垣根を越えて40名の学生が所属しています。毎年夏にカンボジアに2週間ほど
行っていて、現地でパブリックビューイングをやったり、ドリームチャレンジカップという日本でいう国立競技場を借りて子ども達を招待し、サッカー大会を開催しています。その他にも過去には
スマオンという村にあるスマオン小学校にグランドや校舎を建設したりしています。
辻本:国立競技場でプレーできるのは凄いですね。石塚さんがWordl futに入られてきっかけを教えてください。
石塚氏:これは私自身の幼少期の原体験が大きく影響しています。私は小学生の時に両親が離婚し、2人の弟がいる母子家庭の長男として育ちました。サッカーをやりたくて学校の友達と放課後にサッカーをしていましたが、友達は皆放課後のサッカーのあとにクラブチームの活動に参加していましたが自分はできませんでした。用具を買うお金や月謝を払うお金がなかったからです。
結果的には4年生くらいからサッカーを始め、高校まで続けることができましたが、その体験から
「やりたいことがあるのにお金がないのを理由にできない」ことに問題を感じました。そんなことを
感じながら大学生活を送っていた時に知り合いの紹介でWorld futの存在を知りました。サッカーをしたくてもお金がなくて環境もない、そんなカンボジアの子ども達のために何かしたいと思って入りました。
辻本:なるほど。World futに入ってからはどのような思いで活動していますか?
石塚氏:Wordl futは「カンボジアの子ども達に幸せと笑顔を作る」という理念で活動していますが、正しい努力がフェアに報われる環境を作っていきたいと思って活動しています。サッカー選手になりたい夢を持ってはいるものの、「グランドもなければ指導者もいない、用具もない」そんな環境に置かれ、夢と現実のギャップが大きすぎる子ども達を支援したいという思いを持っています。
辻本:国内ではどのような活動をされていますか?
石塚氏:国内では、チャリティフットサルを定期的に開催しています。その他にも2018年に開催されたロシアW杯の日本代表戦でパブリックビューイングを渋谷で開催し、800人くらい集めました。それらのイベントの参加費がWorld futの国内外での活動資金になっています。
辻本:では、実際に活動に参加した参加者はどのように感じているのでしょうか?
石塚:そうですね。チャリティフットサルに参加したことがきっかけで団体に興味を持って、メンバーになる人もいますし、やはりサッカーやフットサルを通して国際貢献ができることは魅力のようです。そして、イベントを通して色んな人と交流できてつながることができるのも参加者にとっては魅力的のようですね。
辻本:なるほど。World futは様々な大学から学生が集まっていますが、意見が衝突したり、方向性に違いを感じることはありませんか?
石塚氏:正直言うと結構あります。自分のやっていることに対して指摘されたり、メンバー同士で意見が違い、衝突したりします。その時はとにかくコミュニケーションを取って解決できるようにしていて、1人暮らしのメンバーの家に泊まって1日中話し合うこともあります。
辻本:なるほど。では、インカレ団体ならではの強みはありますか?
石塚氏:やはり、色んな大学から思いを持った学生が集まってくることですね。それぞれ大学も違って、性格も違いますが、その分色んな考え方があって視野が広がります。そこはインカレ団体ならではだと思いますね。
辻本:他にも東南アジアなどを支援して国際協力をしている団体はNPOやNGOをはじめ、多くあると思いますが、なぜあえてサッカーを通して支援しているのでしょうか?
石塚氏:国際協力にも子ども食堂や学校を作ったり、金銭的な支援だったり、色々あると思います。
ただ、自分達は「好きなことで世界を変える」ことを大切にしています。そして、サッカーというスポーツに魅力や世界を変えることができる可能性を感じているのでサッカーで国際協力をしています。
World futで手にしたたくさんのチャンスと仲間
辻本:石塚さんが団体に入って良かったと思うことは何ですか?
石塚氏:たくさんあります。まずは、素晴らしい仲間に出会えたことです。自分の夢とかやりたいことを話した時に全力で応援してくれますし、悩みを話した時にも家族のように一緒に悩んでくれて考えてくれます。ファミリー感のあるメンバーで温かいという言葉が本当にピッタリだと思います。
そして、それだけなく本当に多くの学びがあります。World futに入っていなければ、今日こうして取材をしてもらうこともなかったですし、10年続いている団体なので、誰もが知る大企業に行った先輩もいます。そういった先輩の仕事を手伝ったりすることもありますし、実際に某大手のフィットネス系の会社からセミナーの依頼があったりもしました。
辻本:色んな魅力があるんですね!今後、World futをどうしていきたいですか?
石塚氏:まずは、今回のようにメディアの方々に取り上げてもらい、知ってもらうことが大切だと
思うので積極的に発信していきたいです。また、現役の有名サッカー選手が関わる某企業と共同で
イベントを開催し、数十人集めることができたので今後もそのような活動を続けていきたいと思っています。そしてこれまでにまだやってこなかった新しいことにもチャレンジしていきたいです。
続き近日公開予定の後編をご覧ください。
カンボジアでの活動の様子