レアル・マドリー、モウリーニョ監督を絶対に復帰させてはいけない5つの理由

『Sportskeeda』は10日、「レアル・マドリーがジョゼ・モウリーニョを復帰させるべきではない5つの理由」という記事を掲載した。

先日行われたUEFAチャンピオンズリーグ・ベスト16の2ndレグでアヤックスに大敗し、早くも大会を去ることになったレアル・マドリー。

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今季途中にフレン・ロペテギ前監督の後を継ぐ形で就任したサンティアゴ・ソラーリ氏の評価も急落しており、今月中にも解任されるのではないかと伝えられている。

しかも、その後任としてフロレンティーノ・ペレス会長が考えているのは、かつて指揮官を務めていたジョゼ・モウリーニョを呼び戻すというプランなのだとか…。

しかしそれを絶対にやめるべき5つの理由があるというが、それは何なのか?

モウリーニョとレアル・マドリーの選手との関係

レアル・マドリーとモウリーニョの関係が壊れたのはそれほど昔の話ではない。何名かのキープレーヤーとも快適なエンディングを迎えたわけではない。

モウリーニョは選手たちから最大限の敬意を求めようとする監督である。それは彼の監督としてのキャリアで初期にはうまく行っていた。

しかしセルヒオ・ラモスやイケル・カシージャス、クリスティアーノ・ロナウドら著名な選手と衝突したマドリー時代に欠点として噴出した。

マルセロは彼らほど激しい対立はしていないが、クリスティアーノ・ロナウドと親密な仲であり、モウリーニョにはそれほどいい印象を抱いていないと言われる。

サッカーにおいて選手との関係は非常に重要だ。特に寄せ集め状態にならざるを得ない近年のビッグクラブでは。憎しみを持つ選手がまだいるにもかかわらず、モウリーニョを呼ぶ必要はない。

モウリーニョはこのところそもそも成功していない

彼は間違いなくサッカーの歴史の中で最も偉大な監督の一人であるし、モウリーニョの家にはそれを証明するだけのトロフィーが並んでいる。

しかし、彼が持つ主要なメダルをざっと見れば、この数年ではあまり大きな勝利を手にしてはいないこともわかる。そのアチーブメントはキャリアの初期に獲得したものだ。

最後にリーグを勝ったのは2015年、チャンピオンズリーグに至っては2010年。一昨年のヨーロッパリーグだけがその慰めとなるようなトロフィーだ。

世界で最も高価なチームを管理し、自由に補強ができるような状況で。レアル・マドリーではバルセロナに屈し、チェルシー復帰も最後は失敗に終わり、マンチェスター・ユナイテッドでは全くいいところなし。

「スペシャル・ワン」は確かにスペシャルだった。しかし、今ではもうスペシャルではなく、過去の人だ。レアル・マドリーに必要なのは、チームを新しくしてくれる人だろう。

モウリーニョの戦術はネガティブである

レアル・マドリーのプライドは、勝つだけではなく、いいスタイルで勝利することだ。結果を得るための方法が、結果と同じくらい重要だ。

サンティアゴ・ベルナベウでは2006-07シーズンに3年ぶりの優勝を果たしたファビオ・カペッロが追い出されるという事実もあった。ネガティブなサッカーで勝利した次の瞬間にだ。

ジョゼ・モウリーニョは常にディフェンスでの堅牢性を高く評価し、審美性についてはそれほど気にせず、あらゆるコストを使って勝利を導こうとする実用的な監督だ。その点ではカペッロと同じである。

その成功の大部分は、選手たちによる強力な守備のパフォーマンスによってもたらされるものである。

レアル・マドリーでは魅力的なサッカーをすることに重点が置かれるわけで、ベルナベウの観客が彼の戦術に納得しないだろうと容易に想像できる。たとえ成績が出ても1~2年だろうし、長期的な解決を求めるならいい候補ではない。

管理のスタイルが時代遅れ

モウリーニョは明らかに現代のプロサッカー選手を管理するという仕事に苦労している。そう、彼は監督がサッカーのクラブで最も権威を持っていた時代にキャリアを始めたのだから、それは理解できることだ。

ただ現代のサッカーは大きく異なる規模で運営されている。もはや監督よりも選手のほうが大きな存在になりつつある。モウリーニョはかつてジョン・テリーやフランク・ランパードを例に出し、現代の選手は「ただのでかい子供」とも批評した。

しかし重要な点は、テリーもランパードも現代とは違う環境で育ったということだ。ソーシャルメディアはなかった、メディアの報道も今ほど多要素ではなかった。

ソーシャルメディアはサッカー選手をカルトな有名人に変えた。生活のすべてを変えたし、個人でプロモーションができるようになった。ファンと直接接することができるようになった。もはやクラブに依存する必要はない。監督に服従する必要もないのだ。

時代は変わった。現代のサッカー選手はもはやかつてのクラブ付きの兵士ではなく、各国を渡り歩く傭兵になった。それはモウリーニョがまだ理解できていないものの一つだ。

モウリーニョを呼ぶくらいなら、他の選択肢がいくらでもある

モウリーニョがレアル・マドリーの有力候補となっているが、ソラーリに替わる多くの潜在的な監督がいる。

アントニオ・コンテはフリーであるし、旬を過ぎたといえるローラン・ブランやアーセン・ヴェンゲルでもスターの扱いには慣れている。今をときめくユルゲン・クロップやマッシミリアーノ・アッレグリ、マウリシオ・ポチェッティーノにだって声をかけられる。

少し挙げるだけでも、モウリーニョよりはいいであろう選択肢が出てくる。この数年でちゃんと結果を残した監督で、現代の選手の扱いも心得ている者も多い。

レアル・マドリーのコーチングは間違いなく世界最大の仕事で、誰もが夢見るものだ。誘ってみるだけならタダであるし、その中で首を縦に振る者はいるだろう。クラブの力を考えれば説得するのも困難とはいえない。

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モウリーニョのあまりにも高額な給与を払うよりは、より優れた、より安価な代替手段があるはずだ。

世界で最も様々な選択肢を探ることができるクラブでありながら、なぜジョゼ・モウリーニョを選ばなければいけないのか。ペレスが本当に彼の復帰を希望しているのならば理解に苦しむ。

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