古き湘南を絵はがきで 茅ケ崎市美術館、342点展示

古き湘南を絵はがきで 茅ケ崎市美術館、342点展示

 明治から昭和30年代までの湘南の風景を絵はがきで振り返る展示が、茅ケ崎市美術館(同市東海岸北)で開かれている。江の島や烏帽子(えぼし)岩、寒川神社など湘南を代表する風景のほか、人々の暮らしぶりも伝えている。

 藤沢、茅ケ崎、寒川の2市1町が、広域連携事業として取り組んでいる美術展の第6弾。各市町が所蔵するものをはじめ、大磯町や個人から借りた絵はがき342点を出展した。

 展示の目玉の一つが、茅ケ崎の海岸近くにあった日本最大規模の結核療養施設「南湖院」。患者と家族の連絡手段として数多く発行された絵はがきからは、充実した設備や療養する人々の様子が見て取れる。

 昭和元年に江の島で開かれた大日本海洋博覧会の絵はがきには、特別に開設された水族館の風景などが収められている。このほか、現在はない寒川神社の太鼓橋や、かつて茅ケ崎で盛んだったブリ漁の様子、海辺でサーフィンや海水浴を楽しむ人々、多くの文豪が滞在した鵠沼の旅館「東屋」など、懐かしい情景が紹介されている。

 1月末まで。入場無料。問い合わせは、同美術館電話0467(88)1177。

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