広島ドラ2島内は強心臓の持ち主 走者背負って登板も「むしろやってやろうと」

広島・島内颯太郎【写真:荒川祐史】

佐々岡コーチも高評価「真っ直ぐに強さがある」

■日本ハム 13-0 広島(オープン戦・12日・マツダ)

 広島のドラフト2位ルーキー島内颯太郎投手が12日、マツダスタジアムで行われた日本ハムとのオープン戦に登板し、1イニングを無失点に抑えた。

 出番は意外な形でやってきた。先発のジョンソンが6失点と乱調で2回で降板。3回にマウンドに上がった2番手の矢崎は四球と3連打で3点を失い、1死も取れずにマウンドを降りた。その後にマウンドに上がった島内。荒れた展開での登板となったが、冷静な投球で流れを断ち切った。

「今日はそういう役割でベンチに入っていたので、気持ちの準備はできていた」という島内は安打を許さず。前の投手が残した走者を内野ゴロで生還させたものの、自責点はなし。2死を取った後、四球を与えたことについて「カウント2-2の後、フォークで仕留めたかったが、腕を振り切れなかった」と反省も忘れなかった。

 佐々岡真司投手コーチが「真っ直ぐに強さがある。バッターもタイミングが取りづらそうにしていた」と評価したように、春季キャンプのシート打撃から力強いストレートは高評価を受けていた。外を狙った球がカット気味に変化するボールや、本人が「変化が一定でない分、効果的な球になっている」というフォークを武器に、中継ぎとしての開幕1軍入りが期待されている。

 この日は無死2塁からの登板となったが、「ランナーがいる状態もあまり気にならないし、むしろやってやろうという気持ちになる」とリリーフ向きの一面も持ち、現在は「ブルペンでは数多く投げたい方だが、今は早く肩を作れるように練習している」と対応力も見せている。

 昨季53試合に登板したアドゥワが先発転向の調整を行い、実績のある今村やトレード移籍の菊池保が出遅れる中、佐々岡コーチも「これからも今日のような場面で投げてもらうことにある」と1年目の右腕に期待する。大学の先輩である大瀬良を目標に挙げ、最速152キロの速球で期待される右腕。ルーキーイヤーでの開幕1軍に向け、アピールを続けていく。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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