2月某日、「サッカーを通してカンボジアの子供達に幸せと笑顔を作る」を理念に活動する学生団体【World fut】の石塚来輝さんにお話を伺った。 日々奮闘をしている大学生が、なぜそこまでして行動するのか、彼を突き動かす原動力は何なのか。彼がこれから描くビジョン、そして将来に悩みや不安を抱える人に向けて伝えたいメッセージとともに伺った。
前編はこちら
サッカー×国際協力で奮闘する大学生 石塚さんインタビュー【前編】
「正直、僕明日死んでもいいと思ってるんですよ。極論ですよ(笑)」そう冗談交じりに語ってくれた彼の毎日はとても充実しているという。
石塚さんのスケジュール表を見せてもらうと、そこにはWorldFutの活動をはじめ、多くの予定でぎっしり。驚くことに月に一度も休みが無いこともあるそうだ。
大学生の彼がなぜそこまでして行動するのか、彼を突き動かす原動力は何なのか。その答えに迫った。
所属することとなったきっかけ
辻本
ではまずWorld futに所属することとなったきっかけについて教えていただけますか?
石塚氏
大学1年生の頃「何をしたいのか」も分かっていなかった僕が、冷静になってふと過去を振り返ってみた時に、「そーえばサッカーで子供たちに何かやりたいんじゃなかったっけ」と思ったんです。それからはとにかく人に会ういわゆる出会い厨をしました。SNSをうまく利用したり、友達の友達にこういうことをしたいんだけどとひたすら話していたら、ある時、こういう団体に友達が入ってるんだけどと紹介してもらったんです。
辻本
なるほど。自分自身で出会いを引き寄せられたのですね。
石塚氏
そうですね。そのスタイルはずっと変わってなくて、とにかく動きながらじゃないと自分を見失ってしまいそうになるので。
平気で一日5件とか、人と会う機会をつくって自ら話す場を設けたりしてました。それで驚いたんですけど去年の12月は1日も遊んでないことに気がつきました(笑)
「7冊のノートの存在」
辻本
ずっと気になっていたのですが、そちらのノートはどういったものになるのでしょうか?
石塚氏
それぞれの分野に分けて書いている自己分析ノートです。可視化することで頭の中にあったものをあとで整理できるように書いているんですけど、これが結構面白くて。昔書いたことを振り返ってみると「何書いてるのこいつ」とか「何この低レベルの話」って思うんですよ(笑)
今考えていることとはまったく違うことを書いていて、ただその時の自分と対話しながら、「あぁ、この時はこんなこと考えてたんだ」と振り返ることができますし、改めて自分を見つめ直すきっかけになっています。
辻本
素晴らしいですね。そのノートはいつ頃から始められたのでしょうか?
石塚氏
去年の9月頃です。全7冊がすでに2冊目に突入しています。
可視化して頭の中を整理するためにも使っているという自己分析ノート
「自分はこれからどうなっていくんだろうと、今からワクワクしています」
辻本
ここまでお話を伺った中で、これまで団体に携わってこられた方が、就職を機に違う世界を見た上で、またサポートをされていると思います。石塚さんは企業に属してまた団体をサポートしたいか、直接団体に属してサポートしたいか、その将来のビジョンについて今はどうお考えになっていますか。
石塚氏
そうですね。今はまとまっていないっていうのが正直なところです。「就職」ということに関して言えば、自分のやりたいこと、自分の思いに対してベストマッチする企業がもしあればやってみるのもいいのかなとは思ってます。
ですが今はあまり考えていません。4年で就職しないといけないルールはないですし、それよりも今は自分で作りたいものの方がたくさんあるので、それを出来るところまで頑張りたいですね。
辻本
それがもし仮に就職したいとなったらまたその経験が活きてきますよね。
石塚氏
大抵のことをやっても生きていればいいというか(笑)
ただその「就職」「職業」っていうのはゴールじゃなくて、あくまでその上に成し遂げたいことがある、そこの手段だと思っています。なのでそこに合う企業があれば入りたいと思うでしょうし、ないのであれば自分で作るだろうし、そこは今年1年ではっきりさせようと思っています。
辻本
なるほど。素晴らしいお考えですね。
石塚氏
サッカーはもちろんですし、教育、芸術、音楽、制作、いろんなことに興味を持ってしまうんですよね。これって絞ると、窮屈に感じてしまうんです。ただ自分の強みは「100%事に対してベクトルを向けられる」ところだと思っています。
「普通」の人生にはならないと思います(笑)なので自分これからどうなるんだろって今からわくわくしていますね。
将来への「悩み」や「不安」を抱える人へ向けて
辻本
将来への「悩み」や「不安」というのを抱える人たちは多くいると思いますし、様々な経験をされてきた石川さん自身にもそういった経験があったかと思います。その悩みや不安はどうやって乗り越えてきたのでしょうか。
石塚氏
自分も小学生3年生の頃やりたかったサッカーが出来なくて、そのときは正直何でなんだとは思いました。ただ、お金がなくてできないことはあるけれどそれがすべてじゃない。頑張ればいろんな人の評価が集まるんです。それによっていろんな世界が広がってることに気がつきました。
周りの人への感謝、ありがとうと言う気持ちが自分の中には詰まってます。自分は今まで一人じゃ生きてこれなかったんですよ。いろんな方々のサポートがあって今がある。だからこうして幸せに生きていられる、そのありがとうがすべてです。自分の抱えていた悩みなんてちっぽけだなと思いました。だったらその「ありがとう」を多くの人に返してあげたい、自分と同じような悩みをもつ苦しんでいる人を一番近くで手を差し伸べてあげたいなと思うようになりましたね。
辻本
自分は将来何がしたいのか、それが早い段階で決まっている人は立派だなと感じます。多くの学生の場合は特に将来について悩みを抱えているものだと思うので。
石塚氏
将来やりたいことについて考える時、決して具体的じゃなくてもいいんです。目標立てて行動する時って、プロセスを重要視しがちじゃないですか。あれが必要でこれが必要だ、だからこれをするっていうのが一般的ですけどあくまでそれは一つの例であって、全然そうある必要はないんですよね。
もう一つ、一つの機会を大事にした方がいいと思うんです。これは自分にもそう言い聞かせているんですよ。今日に限っても一つの繋がりからこうして取材をしていただけてるわけじゃないですか。今将来に悩んでいるひとや不安を抱えている人は、人との出会いやこれからのわくわくにフォーカスを置いたほうがいいと思います。
今アクションしていること、その分野は違うように見えてもそれぞれの「点」は将来的につながる。今のうちにアクションをしていっぱい点を打っておいたほうがいいです。そうすれば将来ふと「あ、自分は間違ってなかったんだ」と感じられる時が来ると思いますし、その時に初めて本当にやりたいことが見えてくるものだと思うんです。大事なのはアクションをすることです。動かないことには失敗もできませんから。
辻本
本日は貴重なお話ありがとうございました。
石塚氏
ありがとうございました。
20歳の大学生がここまで考えていることに驚きの連続だった1時間半の取材。
「僕は本当に人に恵まれている」と語っていたが、それも自らの「行動力」がそうさせているのだろう。
彼は今後もっとworldfutの活動を普及していくためには「イベント(トークイベント)、メディア露出、情報発信、取材等が必要不可欠」」だと語ってくれた。
サッカーでより良い世界を
本気でそう願う大学生の挑戦を引き続き応援していきたいと思う。