県立高など同一業者から物品購入 競争性損なう恐れ 長崎県定期監査

 2017年度に一部の県立高など5機関で、1回当たりの購入額が3万円をやや下回る額で、同じ日のうちに物品を2回にわたって同じ業者から購入するなどのケースがあったことが12日、長崎県監査委員の定期監査結果で分かった。

 県財務規則は、3万円超の物品購入は2社以上から見積書を取る必要があると規定しており、一連のケースについて監査は「競争性や透明性を損なう恐れがある」と指摘した。この点について、長崎県監査事務局は「計画的にまとめて発注する方が競争性も生じて経済性も良く、透明性も確保される」と説明。ただ、「各機関が2社以上からの見積もりを避けるため意図的に3万円以下に分けて購入したかは分からない」としている。

 監査結果によると、長崎明誠高では2017年度に少なくとも6回、同じ日に2回にわたって、1回当たりの購入額が3万円以下のバーコードリーダーやごみ袋などをそれぞれ同一業者から購入。学校側は「急ぎの分があった。午前と午後に(購入に必要な)伺書が回ってきた」などと説明したという。

 長崎県総合水産試験場では2017年12月18日にマグカップなど約2万8600円分を、その3日後にスポンジなど約2万9400円分を、それぞれ同一業者から購入。いずれも調査船の備品で、長崎県監査事務局は「計画的に購入すべきではないか」とみている。佐世保高等技術専門校、島原農業高、大村城南高でも、3万円以下の物品を同日か近い日に特定の業者から複数回購入している例があった。

 監査では、県県央振興局管理の萱瀬ダム、土師野尾ダム、船津ダム、伊木力ダムで2017年度、電源設備などに不良が計43件ありながら同年度末までに1カ所しか修繕しなかった点も「県民の生命財産を守る施設は速やかな対処が必要」と指摘した。

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