小学生考案の「切りかぶとんかつ」商品化 具材巻き方工夫

 川崎産野菜を使ったオリジナル料理を審査する「かわさきC級グルメコンテスト」で、グランプリに輝いたとんかつが商品化された。宮前産のニンジンを豚肉とシソの葉で包んで揚げた逸品で、川崎市立野川小学校(宮前区)5年山田怜(りょう)君(11)が考案。“小さな料理男子”は「地元農家が作った野菜を味わってほしい」と話している。

 コンテストは「かわさき・食と農のコミュニティ」が主催し、2月16日に実際に料理する2次審査を実施。68作品から、山田君の「元気なかわさきの森」が最高賞に選ばれた。くりぬいたトマトにチーズなどを入れたサラダを、ミズナやレタスなどで飾って森に見立てた料理で、このうち木の切り株に見立てたとんかつが商品化された。

 きっかけは審査員の1人で、東急田園都市線鷺沼駅前の総菜店「デリスタ スエヒロ」の営業部兼商品部部長の清水美和さん(52)の目に留まったことだった。清水さんは昨年、同コンテストの前身の宮前C級グルメコンテストで入賞したおやきも商品化。このおやきをヒントに、同店が地元産の大根などを入れた「宮前コロッケ」を開発したところ、全国スーパーマーケット協会主催の「お惣菜(そうざい)お弁当大賞2019」で優秀賞を受け、同店の人気商品にもなった。

 山田君の料理は本人の希望で「切りかぶとんかつ」と命名。清水さんに作り方を伝授し、試作を経て11日から販売を始めた。清水さんは「とんかつを切った断面が美しくなるよう、ニンジンやシソの葉の巻き方が工夫されている。プロがとらわれがちな常識とは違って勉強になった」とたたえる。

 4歳から料理をし、昨年の夏休みの自由研究では1日1品目の料理を作ったという山田君。今回のコンテストに向けては、地元の農園などに足を運んで試行錯誤を重ねたといい、「どうすればきれいに巻けるか研究した。(商品化され)うれしい」と話した。

 価格は1個約80グラムで185円(税抜き)。3月末まで販売予定。農産物直売所「セレサモス宮前店」(同区宮崎)でも毎週土・日曜に200円(税込み)で限定販売予定。商品の問い合わせは、同総菜店電話044(855)1229。

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