「箱根関所」設置400年 大名行列など記念事業相次ぐ

過去に箱根関所で「箱根大名行列」が披露されたときの様子(箱根町提供)

 箱根の観光名所「箱根関所」(神奈川県箱根町箱根)が今年で設置から400年の節目を迎えることから、大名行列や全国の関所関係者が集まるシンポジウムなど、記念事業が相次いで開かれる。関係者は「箱根関所は全国に50数カ所ある関所の中でも、江戸時代の当時の姿が見て分かる珍しい施設。一人でも多くの人に来てもらえたら」と呼び掛けている。

 箱根関所は1590年以降、箱根山内に徳川氏の軍事拠点として設置されたとみられ、現在の場所には江戸時代初期の1619年に移転。治安維持のため、往来や物資、情報流通を監視する役割を担ってきた。

 1865年に大改修を行ったが、数年で江戸幕府が倒れ、明治政府になると全国の関所が廃止された。火災にも見舞われ、明治20年代には箱根関所の建物全てが焼失した。

 1922年に跡地が国指定史跡となり、町は65年に観光拠点として箱根関所の一部を再現した建物を設置。99年から資料分析や発掘調査を進め、2007年4月に完全復元した現在の箱根関所をオープンした。

 箱根関所が現在の場所に設置されてから400年という節目を祝い、関所と共に時代を歩んできた地域の活性化につなげようと、地元住民や観光協会、町などが記念事業の実行委員会を昨年4月に発足。18年度に企画立案を進め、町は19年度当初予算案に記念事業費として1446万円を計上した。

 今年5月26日に箱根関所で開催するオープニングイベントでは、有名タレントらも招き、総勢100人ほどで「箱根大名行列」を披露。箱根関所で行われた取り調べの様子を再現した芝居や和太鼓演奏、箱根ソーラン座による演舞なども予定されている。

 記念事業は来年3月にかけて、関所の歴史などを紹介する企画展や、全国の関所関係者がパネリストとして登壇するシンポジウム、足跡をたどる記録映像の放映イベントなど、箱根関所の魅力を伝えるイベントを展開する予定。箱根関所の大和田公一所長は「400年という節目に歴史を感じながら楽しんでもらえたら」と話している。

 2月から特設ホームページを公開している。大名行列への一般参加も4月15日まで受け付けている。

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