土地の境界線めぐりトラブルか 女性切りつけ出頭の男逮捕

女性が切り付けられた現場周辺を調べる捜査員ら=15日午後4時ごろ、小田原市南町

 15日午後2時5分ごろ、小田原市南町3丁目の住宅で、住人の女性(63)が男に刃物で切り付けられた。女性は両手や首に重傷を負い、病院に搬送された。小田原署は同日、発生から約1時間20分後にカッターナイフを持って出頭してきた同市桑原、無職の男(69)を殺人未遂容疑で逮捕した。

 調べに対し、同容疑者は「複数回切り付けたことは間違いないが、殺すつもりはなかった」と供述、容疑を一部否認している。

 署によると、女性は自宅の呼び鈴を鳴らした同容疑者に応対した後、切り付けられたとみられる。在宅していた夫(64)が「助けて、刺された」との悲鳴を聞き、110番通報した。署員が駆け付けた際、女性は玄関に倒れていたが、意識はあったという。

 同容疑者は出頭時、「人を殺したかもしれない」と話した。その後の調べで「土地の境界線を巡りトラブルがあり、その話をしに行った」「『話すことはない』と言われ、刃物を見せた」とも述べており、署が経緯を調べている。

 現場は小田原駅の南西約1キロの住宅街。近くに住む自営業の男性(75)は「警官や救急車がたくさん来て、騒然とした。今まで大きな犯罪が起きなかった地域で、初めてのことに動揺した」と語った。自営業の女性(70)は「先日、女性が旦那さんの車いすを押して一緒に歩く姿を見たばかり。けがが心配」と気遣った。

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