【実売1万円台】振出しのパックロッドって、正直どうなの? パックロッドが大流行中ですが、「正直どうなの?」と思われている方も多いのではないでしょうか。そこで、実売1万円台の振出タイプのパックロッドを編集部が使ってみました!

大流行中のパックロッドだが……

昨今の釣り業界のトレンドといえる、パックロッド。

今までのパックロッドといえば、いわゆるサビキ竿やチョイ投げ竿が大半でしたが、近年はルアーゲームに特化したロッドが増えてきています。

しかし、1ピースや2ピースロッドを使ってきたアングラーの中には、「パックロッドってどうなの?」という疑問の声も多いはずです。

実際に使ってみた。

ということで、編集部が実際にパックロッドを使ってみることにしました。

選んだロッドはダイワの「モバイルパック 866TMLS」。ルアーロッドで一般的な並継ではなく、磯竿のような振出し(テレスコピック)タイプです。

なんの忖度もなく、某S社のリールをセット。リールシートのガタつきもなく、相性は最高?

仕舞寸法は54センチで、5~28グラムのルアーに対応する“ソルト万能系”なスペック。実売価格は12,000円ほどです。

いままで、1ピースと2ピースロッドしか使ったことのない、“自称ロッドにはうるさい”編集部員のお目には適うのでしょうか?

キャーストフィールはシャープ

ティップ・ベリー辺りでピシッと投げるようなキャストが気持ちいい。

ロッドを振ってみると、キャストフィールがシャープで、「これはルアーロッドだな」という印象!

使う前は「見た目をルアーロッド風にしたチョイ投げ竿じゃないの?」なんてことを思ってましたが、そんな心配は杞憂でした。

トップガイドにはSiCリングが使用される。元竿の玉口部分がリングで補強されている点も見逃せない。

先調子気味に設計されているため、遠投だけではなく、小さなテイクバックでピンスポットへのキャストもこなせます。

実釣時は自重8グラムのマニック95(デュオ)をメインに使ってみましたが、MLクラスのシーバスロッドのようにキャストが決まりました。

先調子で操作性もGOOD

2500番か3000番のリールを合わせると、持ち重り感も全然ない。

先調子で操作性がよく、タダ巻きの釣りのみならず、SLJ(スーパーライトショアジギング)やエギングでも十分使えると感じました。

バシバシとシャクるハードなジャークには向きませんが、ティップで弾くようなアクションは気持ちよくできるはず。

引き抵抗の小さなシンキングペンシルでも、明確な操作感がある。

ルアーのウエイトが乗ると適度にティップが曲がり込むため、アタリや着底も明確に感じられるでしょう。

小型青物までイケそう

一昔前では考えられない6ピースのベンドカーブ。どこが継ぎ目かわかるかな?

残念ながら、実釣時に釣果を得ることができなかったので、1キロのペットボトルをリフトしてパワーを検証してみました。

ペットボトルを持ちあげたところ、「一般的なエギングロッドのMLクラスに近いかな」という印象。

PEラインは推奨されていないようだが、なんの問題もなく使える。

シーバスなら70センチ、青物なら45センチ程度は問題なく取り込めると思います。

ロッドのパワーと対象魚を考慮すると、PEラインの0.6か0.8号がベストセッティングでしょう。実釣時は0.5号を用いましたが、半日でトラブルはゼロでしたよ!

弱点をあげるなら……

遊動ガイドを並べる作業は、ルアーマンにはなじみが薄いかも……。

弱点をあげるとするならば、ロッドを伸ばす際のガイドあわせ。

振出タイプのため、遊動ガイドをすべて一直線に並べる必要がありますが、ガイドあわせの目印がなく、夜間の釣行では少し面倒に感じました。

磯竿のガイドライン。ガイドとブランクスに目印が付いており、必ずガイドが一直線になる。

高級磯竿に付いているようなガイドラインがあれば、「ガイドが曲がってないかな~」という不安が払しょくされると思うのですが……。

筆者的には、1,000円高くなってもいいから付けてほしい機能です。

めちゃくちゃ使える!

ハイクラスのロッドと比べると及ばない点はありますが、同価格帯の2ピースロッドと比べると、実釣時に感じる差は「ほぼ無い」と思います。

この価格と性能で、これだけ持ち運びが便利ならば、チョイ釣り派や電車釣行派のアングラーは1度手に取ってみる価値はありそうです。

旅行先や出張先で……なんてことを考えると、間違いなく“持っていて損はないロッド”でしょう。
文・撮影:TSURI HACK編集部

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