【MLB】救援中心のアスレチックス、ローテ中心のマリナーズ 先発・菊池雄星に高まる期待

マリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】

アスレチックスは救援陣の活躍に注目

 3月20日にアメリカ本国に先駆けて開幕するMLB公式戦、アスレチックス対マリナーズ。今季の両チームの陣容を比べてみよう。続いて投手陣。MLB公式サイトのアクティブロースターから。成績は2018年のもの。名前の前の数字は背番号。*は左投手。()は前年の所属チーム。

 オークランド・アスレチックス

○先発投手

50 フィアース(33) 31試30先12勝8敗0SV172回 率3.56(タイガースから昨シーズン中に入団)
21 エストラーダ(35) 28試28先7勝14敗0SV143.2回 率5.64(ブルージェイズ)
*30 アンダーソン(31) 17試17先4勝5敗0SV80.1回 率4.48
47 モンタス(25) 13試11先5勝4敗0SV65回 率3.88
40 バシット(30) 11試7先2勝3敗0SV47.2回 率3.02

○救援投手

36 ペティット(34) 74試0先7勝3敗0SV93回 率3.00
62 トリビーノ(27) 69試1先8勝3敗4SV74回 率2.92
56 ロドニー(41) 68試0先4勝3敗0SV64.1回 率3.36(ツインズから昨シーズン中に入団)
39 トレイネン(30) 68試0先9勝2敗38SV80.1回 率0.78
48 ソリア(34) 66試0先3勝4敗16SV60.2回 率0.12(ホワイトソックス、ブルワーズ)
*52 ブッチャー(32) 54試0先6勝0敗0SV39.1回 率2.75
66 ダル(29) 28試0先0勝0敗0SV25.1回 率4.26
16 ヘンドリクス(30) 25試8先0勝1敗0SV24回 率4.13
57 ウェンデルケン(25) 13試0先0勝0敗0SV16.2回 率0.54

 野手陣は大きく変動がなかったアスレチックスだが、投手陣は強化した。マネア、メンデン、ケーヒルなど先発陣が移籍し、昨シーズン途中にフィアースが加入。2チームで12勝を挙げた。しかしこの投手以外に前年、2桁勝利を挙げた先発はいない。

 アスレチックスは、先発よりも救援で持っているチームだ。いわゆるオープナーの起用も多い。救援で昨年5勝以上、上げた投手がトレイネン、トリビーノ、ペティット、ブッチャーと4人もいる。昨シーズン途中にMLB最年長投手のフェルナンド・ロドニーが加わった。また通算220セーブのソリアも加入。救援陣は非常に分厚くなっている。先発を早々に引き上げて継投で勝つ戦法だ。

開幕第2戦目には今季から移籍した菊池雄星が先発のマウンドに上がる

○先発投手

8 リーク(31) 31試31先10勝10敗0SV185.2回率4.36
*7 ゴンザレス(27) 29試29先13勝9敗0SV166.2回率4.00
34 ヘルナンデス(32) 29試28先8勝14敗0SV155.2回率5.55
*49 ルブラン(34) 32試27先9勝5敗0SV162回率3.72
*18 菊池雄星(27) 23試23先14勝4敗0SV163.2回率3.08(西武)

○救援投手

35 ギアリン(31) 62試0先2勝1敗1SV57.1回率3.77(ジャイアンツ、レンジャーズを経て昨シーズン中に入団)
43 ストリックランド(30) 49試0先3勝5敗14SV45.1回率3.97(ジャイアンツ)
60 ブラッドフォード(29) 46試0先5勝0敗0SV53.2回率3.69
26 トゥイバイララ(26) 36試0先4勝3敗0SV37回率3.41(カージナルスから昨シーズン中に入団)
30 スウォーザック(33) 29試0先0勝2敗4SV26.1回率6.15(メッツ)
*55 エリアス(30) 23試4先3勝1敗0SV51回率2.65
53 アルタビラ(26) 22試0先3勝2敗0SV20.2回率2.61
59 ロスカップ(30) 17試0先0勝1敗0SV11.1回率4.76(ドジャース)
37 アームストロング(28) 14試0先0勝1敗1SV14.2回率1.23
52 ランブロー(27) 13試0先0勝0敗0SV17.2回率6.11
67 フェスタ(26) 8試1先0勝0敗0SV8.1回率2.16
46 バティスタ(23) 5試0先0勝1敗0SV4.1回率12.46(ヤンキース)
65 ブレナン(27)(メジャー出場なし)

 現時点では先発は5本柱。NPBの西武から移籍した菊池も含めれば10勝投手が3人。こちらは対照的にオーソドックスな、先発重視型の投手陣だ。左腕エースのパクストンがヤンキースに移籍した穴を菊池が埋めた形だ。5人の先発陣のうち3人が左腕。

 岩隈久志とともに永年チームを引っ張ってきたキングことフェリックス・フェルナンデスも衰えが見える。18日の試合も巨人に打ち込まれていた。マイク・リークも17日の巨人戦で投げた。今季、このベテラン2人はローテの3,4番手という位置づけのようだ。

 救援陣もクローザーのディアス、セットアッパーのコローメが抜けた。ストリックランド、スウォーザックらを獲得したが、弱体化は否めない。昨年メジャーデビューしたフェスタあたりに期待がかかる。

 マリナーズの陣容を見ると、菊池雄星への期待の大きさが見えてくる。まだメジャーで1球も投げていないが、ローテの中心として活躍することが求められている。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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