「親しみ感じる」「名前残り安心」 長崎県民反応 本店所在地に複雑な心情も

 親和銀行(佐世保市)と十八銀行(長崎市)が合併して誕生する新銀行の名称が「十八親和銀行」になると発表された19日、県民の反応は「親しみを感じる」「長くて慣れない」とさまざま。本店所在地が長崎市に決まり、親和銀の本店がある佐世保の市民は複雑な心情ものぞかせた。
 西彼時津町のパート従業員、松村美穂子さん(33)はロゴマークに県民鳥のオシドリ、企業カラーに県の花のウンゼンツツジが採用されたことを好意的に受け止めた。「長崎らしく愛着を感じやすい。通帳などのデザインがどうなるのか楽しみ」。
 長崎市万屋町の飲食店従業員、島田隆史さん(26)は「まったく異なる名称だと戸惑いそう。慣れた『十八親和』でよかったと思う」と評価した。
 一方、佐世保市祇園町の会社員、長島孝一さん(57)は「新しくなるのなら全く違う名前でもよかったのでは」。妻でパートの朋子さん(47)は「名前が長い」と苦笑い。長崎市脇岬町の公務員の女性(60)は「十八は青、親和は緑が目印。新しい色のマークにもだんだん慣れていくといいけど」と話した。
 親和銀の本店があるさせぼ四ケ町商店街協同組合の川尻章稔副理事長は「市場規模が上なので十八が先になるのは仕方がない。親和の名前は残るので少しほっとしている」と理解しながらも、「親和の本店の方が建物に趣があって風格があると思う」と残念そう。同組合の力武和裕常務理事も「親和はおらが町の銀行。本店がなくなるのは寂しい。本店が遠くなり、融資などの手続きが今までより時間がかからないか心配」と気をもんだ。
 行員の思いも複雑。十八銀の20代女性行員は「(マークや企業カラーは)十八でも親和でもないということを表している。十八らしさが少しずつ失われるのはやっぱり寂しい」。30代の男性行員は「合併が現実味を帯び、楽しみではあるが、不安も出てきた」と率直な思いを語った。

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