太平洋の白鳥がよみがえる 日本丸の改修工事が終了

補修後に塗装され、美しさを取り戻した帆船日本丸 =日本丸メモリアルパーク

 大規模修繕が行われている国指定重要文化財「帆船日本丸」の船体改修工事が完了した。「太平洋の白鳥」とたたえられた往時の姿がよみがえり、横浜市は19日、船体を横浜・みなとみらい21(MM21)地区の日本丸メモリアルパークで報道関係者に公開した。

 市は昨年暮れ、日本丸が浮かぶ旧横浜船渠(せんきょ)第1号ドック内の海水を全て排水する「ドライドック」を約20年ぶりに実施した。盤木(ばんぎ)の上に据え付けられた日本丸は約3カ月かけて船体を改修。船体外板のうち腐食している部分を探り出し、約20カ所を溶接した。船体は白色、船底は海水による腐食を避ける薬剤を含む赤銅色のペンキで塗り直された。

 21日にはドックゲートの注水弁を開放し、日本丸を浮上させる「注水式」を予定。市港湾局の担当者は「日本丸、ドックともに国指定重要文化財であり、今後も保存活用していく」と話している。

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