KERA、約3年ぶりのソロ・アルバムが完成!「20代の頃活動を共にした、ナゴムレコードの戦友たちに捧げた曲もある」

KERA、約3年半ぶりのソロアルバムが完成した。「1920~30年代のクラシカルなジャズの彼流の解釈」というコンセプトは前作『Brown, White & Black』から引き継がれたものだが、ビッグバンド編成の曲がグッと増えており、今の彼にしかなし得ない、懐かしくも新しい世界がゴージャスに繰り広げられている。

参加ミュージシャンも多彩。まずは伏見蛍(ギター)、ヒカシューの坂出雅海(ベース)、佐藤真也(ピアノ及びキーボード)らお馴染みのメンバー。ホーンセクションにはTRI4TH(トライフォース)から織田祐亮(トランペット)と藤田淳之介(サックス)、くるりからファンファン(トランペット)、近年KERAのソロ活動をサポートしてきた湯浅佳代子(トロンボーン)、ハラ ナツコ(サックス)、時々自動の鈴木光介(トランペット)、ロング・バケーション時代からの盟友である上石統ら、超豪華メンバー。さらに、ともさかりえ、犬山イヌコ、峯村リエ(以上コーラス)、緒川たまき(ウクレレ、作詞)ら、KERAの演劇活動を支え続けてきた女優陣が参加。特筆すべきは、かつてロング・バケーションで長くKERAと共に活動した中野テルヲが『キネマ・ブラボー』で楽曲提供していることだ。ライブでのゲスト共演を除けば、約25年ぶりのコラボとなる。

KERAコメント

ある事情があってずっと手元になかった、幼い頃の写真を収めたアルバムを開いたことが、本作『LANDSCAPE』の方向性を決定づけた。

写真たちを眺めながら歌詞を書いた結果、これまでに無くパーソナルな音盤に仕上がった。

子供の頃飼っていた犬(親友だった)に捧げる歌が出来た。なけなしの小遣いを握りしめて映画館に通い詰めた小学生の自分に捧げる歌が出来た。

20代の頃活動を共にした、ナゴムレコードの戦友たちに捧げた曲もある。

カバー曲も(BOOWYの『B.BLUE』を除けば)幼い頃、ジャズマンだった父がよく家で聴いていた曲ばかり。

こうしたセルフ・ポートレートのような作品を作っておくのも悪くないと感じている。

近年僕が作った演劇作品(『百年の秘密』『キネマと恋人』)からの楽曲も2曲収録されているから、きっとそちらのファンにも楽しんでもらえるはず。

前作もそうだったが、この度も、有頂天やシンセサイザーズでは絶対にできないし、やらない類の楽曲ばかりを収めている。鈴木慶一さんとやってるNo Lie-Senseならばやれないこともないが、あちらはもっとストレンジな音楽を目指している。

これもまた、あれらとは別の、極めて自分らしい音楽だと思っている。とてもとても愛おしい音楽だ。買って。

あ、それから、今回CDだけでなく、自腹でアナログ盤(2枚組)も作りました。CD未収録の曲が4曲入っており、バージョン違いもいくつか。ジャケも曲順も異なります。もちろんミックスも。

ぜひとも両方聴いてほしい。よろしくお願い。

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