箱根に春の知らせ 仙石原高原で山焼き ボタンも姿見せる

「仙石原すすき草原」で15日に行われた山焼き(箱根町提供)

 箱根町内で春の訪れの“知らせ”が続々と届いている。

 同町仙石原の「仙石原すすき草原」では15日、恒例の山焼きがあり、台ケ岳(標高約1044.5メートル)の麓約22.7ヘクタールを焼いた。

 雑木を焼き払う山焼きは植生や景観を維持するため、1989年からほぼ毎年行われており、今年は町消防本部などの約200人が参加。穏やかな天候に恵まれ、順調に終えた。希少植物の成長促進にもつながり、初夏には新芽を出す見通しという。

 一方、同町小涌谷の岡田美術館では18日、標高約550~600メートルの庭園に植わっているボタン約400株の苗木が花芽を付け、霜や落雪から守るため冬季に一つずつ囲む「藁(わら)ぼっこ」の撤去作業が行われた。

 2013年に開館した同館は、日本、東洋の絵画や工芸を展示し、ボタンをモチーフとした作品を多く所蔵。作品の鑑賞とともに本物のボタンの観賞も楽しんでもらおうと15年秋ごろに庭園に苗木を植えた。

 赤や紫、黄色など全12種のボタンは例年4月下旬から5月上旬にかけて見頃を迎える。同館の担当者は「今年の冬は雪も雨も少なく恵まれた気候だった。大輪が期待できる」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社