自然電力がブラジルで太陽光発電所の共同事業

自然電力(福岡県福岡市)は2月27日、ブラジルで立ち上げた現地合弁会社と、同地で不動産開発などを展開するエスパス・イプシロンとの共同で1.1メガワットの太陽光発電所を建設すると発表した。ブラジルでは太陽光など自然エネルギーの需要増加が見込まれ、政府も支援に積極的だ。新設の発電所は今年5月に完成予定。自然電力は今回の計画を踏まえ、同国に20メガワット超の太陽光発電所を新設する計画も予定している。(オルタナ編集部=堀理雄)

ブラジルは全電力供給の約8割を自然エネルギーで発電している。主な発電方法は水力だが、太陽光や風力発電などの割合も高まってきており、政府も水力以外の自然エネルギーの推進に力を入れている。

ブラジルは日照資源に恵まれ土地が比較的安価なこと、またシステムコストが低下している点などから、太陽光発電は長期的な成長が見込める市場として注目されている。

自然電力は、現地パートナー企業と合弁会社シゼン・エネルジア・ドゥ・ブラジルを設立。2018年に、発電所を建設予定の首都ブラジリアで不動産開発や電気通信業を展開するエスパス・イプシロン社とパートナーシップを結び、今回の発電所新設に至った。

ブラジル政府は、消費者が自身の所有する太陽光発電システムでの発電量を、既存の送電網からの消費と相殺できる仕組みを支援している。新設される発電所の電力利用者は、この仕組みのもとでクリーンな電気を割安な価格で利用できる。

インドネシアに続き、2カ国目の海外進出だ。自然電力の磯野謙代表取締役は「海外への事業拡大を『エネルギーから世界を変える』というコミットメントの実現に向けた重要なステップのひとつとして位置付けている」と述べている。

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