全国高校選抜ボート女子ダブルスカル 県勢初優勝 会心のレースで日本一 山崎・松尾組(大村) 「1番」見据えた努力結実

 第30回全国高校選抜ボート大会最終日の24日、女子ダブルスカルで大村の山崎明音・松尾美里組が長崎県勢として初優勝を飾った。

 ■会心のレースで日本一 「1番」見据えた努力結実

 「自分たちの漕ぎができれば1番を取れる」。上位4艇で競ったボート女子ダブルスカル決勝。大村の山崎と松尾は培ってきた自信を胸にスタートすると、最後までペースを乱さず、2位に1秒56差をつけてフィニッシュした。長崎県勢初となる春の日本一をつかんだ瞬間、2人は会心のガッツポーズで喜びを表現した。

 2人にとって天竜川は「苦い思い出」の場所だった。昨年、かじ付き4人スカルで出場したが、24艇中20位。「勝てるイメージが湧かなかった。来年はこんな思いはしたくない」(松尾)。初めての全国大会は悔しさだけが残った。

 その後は「目の前の1番」を目標にした。練習から、常に本番を想定して「1番」にこだわった。努力は徐々に形になった。昨年11月の九州地区予選。1日12キロ以上の漕ぎ込みで身につけた「中盤からの強さ」を生かして頂点に立った。

 この日の決勝は荒れ気味の水面と風を考慮して、ペースを上げすぎないプランで臨んだ。序盤は浜松湖南(静岡)に先行されたが、1000メートル過ぎで首位に浮上。最後は美方(福井)に迫られたものの、丁寧な漕ぎを貫いて先頭を譲らなかった。山崎は「得意な終盤勝負で勝てて良かった」と喜びをかみしめた。

 ただ、2人にとってここは通過点。次はライバルたちが徹底マークしてくる夏が待っている。「日本一になってもやることは変わらない。一日一日を積み重ねて、夏にもう一度1番を取りたい」(松尾)。今回積み重ねた「日本で1番」は、夏への大きな自信になった。

ボート(2000㍍)
女子ダブルスカル決勝 大村(山崎、松尾)8分13秒34

金メダルを胸に笑顔を見せる(左から)山崎、松尾=浜松市天竜ボート場
ガッツポーズで優勝を喜ぶ大村の(右から)山崎・松尾組=浜松市天竜ボート場

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