わくわく観賞クラシック 市民発案5月開講、歌手ら参加

 音楽を聴く力を育てる講座が2019年度、厚木市で開講する。市の市民協働事業提案制度から生まれたもので、5月から来年3月まで計6回を予定し、クラシック音楽の聴き方だけでなく、曲や楽器にまつわる逸話などを取り上げる。同制度を生かし、実現にこぎ着けた市民団体は「音楽を通じて日々の生活が豊かになれば」と参加を呼び掛けている。

 同制度は、市が地域課題の解決や市民サービスの向上を目的に創設したもの。市側がテーマを提示する「行政提案型」と、市民団体がその特性を生かし市に事業を発案する「市民提案型」の2種類がある。

 今回の講座は、市内で音楽に親しむ催しを企画、開催してきた市民団体「厚木うきうきクラシック」が昨年8月、市民提案型として応募。書類審査や公開プレゼンテーション、公募市民や有識者らで構成する委員会の審査を経て実施が決まった。

 同団体は、クラシック音楽を好む有志などが集まったグループ。「音楽をより身近な存在に」と活動してきたが、「演奏する人を増やすような講座は多いが、音楽を聴く力を育てるようなものは少ない。学べる機会をつくりたい」と感じていたという。代表の杉田八重子さんは「市との協働で活動の幅をさらに広げたいとの思いがあった」とも話す。

 講座は「わくわくクラシック鑑賞術」と題し、同団体と活動を共にしてきた市内在住のテノール歌手、上原正敏さんを案内役として招き、厚木をはじめ神奈川ゆかりの演奏家にも多く登場してもらう予定。音楽を聴くポイントや曲にまつわるエピソードなどを紹介する。

 「悪魔の楽器バイオリン」との題で、演奏楽器そのものに焦点を当てたり、オペラの見識を深めたりする回もある。来年3月予定の最終回の第6回はコンサートを開くという。

 事業費の総額は約34万円の計画で、そのうち市が30万円弱を負担する見込み。杉田さんは「音楽がある日常は生き生きとした豊かなものになる。クラシックに関心があっても敷居が高いと思っている方に、ぜひ参加してもらいたい」と話している。

 講座は(1)5月28日(2)7月23日(3)9月24日(4)11月26日(5)来年1月28日(6)同3月中旬で、午後2時から1時間程度。会場は、厚木市民交流プラザ(同市中町)。今月から参加者の募集を始めており、ファクスなどで申し込む。希望回のみの参加も可で、初回参加時に資料代千円が必要。問い合わせは、市文化生涯学習課電話046(225)2508。

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