柔らかく甘い」のらぼう菜収穫始まる 川崎、直売で人気

のらぼう菜の収穫が始まり、作業に励む高橋さん夫妻 =川崎市多摩区

 川崎の伝統野菜「のらぼう菜」の収穫が始まった。多摩区菅野戸呂の農家高橋孝次さん(87)は約10アールの畑で約3千株を栽培。畑一面が鮮やかな緑に覆われている。

 のらぼう菜は約800年前から同地区に伝わるアブラナ科の野菜。江戸時代の天明・天保の大飢饉(ききん)を救ったとの伝説も残る。生産者の自家消費用として、ほそぼそと受け継がれてきた。

 高橋さんは2001年に「菅のらぼう保存会」を発足するなどし普及に尽力。その功績が認められ、15年に日本特産農産物協会が認定する「地域特産物マイスター」に選ばれた。

 「今年は出来がとてもいい。柔らかくて甘い」と高橋さん。直売品を求める常連客がひっきりなしに訪れており、妻の寛子さん(83)と連日、収穫作業に汗を流す。収穫は5月10日ごろまで続くという。

 高橋さんの直売所では1束(400グラム)200円で販売。問い合わせは、高橋さん電話044(944)6194。

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